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へんてこカシミヤカーデ

 

 

 

今年はVカーデ。着たいですよね。松村さんが頓知きかせたカーディガンを作ってくれました。先週届いて今日も着てるんですが、新感覚というか改めて良い商品だなと。軽くて温かくてへんてこ。21AWの展示会で毛足がかなり長めのシャギーカシミヤのカーデがあったんですけど、自分には全く似合わなくて。その横に適度にシャギーかかったカシミヤクルーが並んでたんですが、この素材でカーディガンを仕立ててもらうことになりました。シャギーかけるのを前提に作られたカシミヤで、撚りの回転数をいじって甘く編み立てたんだそう。さらに杢糸をあえてより細かい色濃淡が出るように、天竺を裏目使いにしてシャギーかけてます。この甘さと裏目と杢とシャギー、全てを設計して出来たカシミヤは、異常な軽さと最初からトロトロの風合いが出ていて、泣く子も黙るどころか寝落ちしてしまいそうな心地良さ。あとは釦ホールがハンドで縫われていて、こんな所にも彼の気遣いが。ミシンで釦ホール開けるとどうしても硬さが出てしまうそうで。あと個人的に好きなのが、リブ組織とボディとの毛羽立ち差。このリブ編み部分はいくらか詰まっているのでシャギーがかかりにくくなり、これによってコントラストが効くとか。

 

 



 

 

ここまで完成されているけど、なんか違和感に気づかないですか。裾のところ。ポケットの袋布を異常に縦長にしていて、フロントから少し見えてる。2000年代にギャル系女子の間で流行ったホットパンツから飛び出るあれ。へんてこ、へたうま、未完成などのワードが頭にあって、どこからしらに違和感が欲しかったと。実はかつてこの案は試したそうですが、その時は不人気だったそうな。そもそもある程度ジャストで着るカーディガンってコンサバ感が強くなりますよね。こういったワンポイントの抜けた意匠が入るだけで、愛らしさが出てお気に入り度が増すと言うか、ありそうで他とちょっと違うってのが、ずっと一軍であり続けるために大事なポイントだと思います。

 

 


 

 

 

サイズ感は最近主流の大きめVカーデではなく、適度にゆったりくらい。僕で3を着てジャストです。彼の作るニットは締めるところ締めるからか、品がありますよね。これも袖口、腰回りは結構入ってます。デザインの再構築をした今回の別注。加えて色も新しく作りました。“Black”は黒とブラウンの掛け合わせ。このブラウンが赤みが強いので光浴びると、ちらちらとボルドーがかります。見たことのない顔していて、一番大人っぽい。そして“Gray”は黒にグレージュ系を混ぜたもの。Blackとは違って大胆なミックス感があって、ペッパーソルトみたいなフレンチ感あり。ボディとリブのコントラストがはっきり出ます。そして“Coffee”は松村さんがインラインで作った色からで、濃淡のあるブラウン同系でのミックスです。インは冬ならハイゲージニットくらいまで。ロンTeeか、シャツか。今日みたいな温かい日は半袖の白Teeに羽織ってあげると、このカーディガンの良さをダイレクトに感じられます。金曜の発売。今週は金土で柿乃葉を開けて、在庫が残れば日曜に商品帖に更新します。

 

 





 

 

21.12.3 – Fri

Ex Neo Shaggy Cash Cardigan
Cashmere 100%
Gray / Black / Coffee
2 / 3
66.000 tax in ( 60.000 )
MAATEE&SONS for kakinoha