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HWとSSのサマーシャツジャケ

今季の柿乃葉では半袖ジャケットはあっても半袖シャツを1型も仕入れてません。そもそも半袖シャツは子供っぽいから着ないっていう人も一定数いると思いますが、自分は暑がりってこともあって、これまで積極的に着る派で。でもここに来てメンズにも<薄い、軽い、ドライ>の3拍子な布帛が増えてきていて、今年はロングのみの提案でいってみようと。そもそも夏のメンズファッションって選択肢無さすぎて、着こなしが味気なくなりがち。シャツがロングって言うだけでロールアップの巻き方とその固定位置を工夫したり、どうしても暑ければ肩にかける、タスキがけ?、腰に巻いても良いし、その時の自分の好きな着方を選択できますし。僕はここん所ハイゲージニットの上にシャツのスタイリングが多いので、そう考えるとロングスリーブという選択は圧倒的に着る期間を長く担保できるんですね。

 

 

 

 

そんな考えを最も反映したのが今回の作。松村さんのアトリエで清涼感のある極上素材の柄物を見て触れて、こんなトラッド感ある生地をどう着たいか考えました。「羽織れる感じで、おもいっきりカジュアルな形にはめたい」と伝えると、今回作か過去作かはわからないんですが、米軍のM43ジャケットを削ぎ落としたシャツジャケを見せてくれまして。すぐに答えが見つかりました。大きな胸マチポケのついたカバーオール系の四角い形に、カフのない袖。これなら中にニットも着れるし、結局シャツだし無理やりインしても良い。袖をたくし上げれば夏もいける。

 

 

 

 

 

 

これはすごいと思った生地の1つ目はウールのチェック。松村さんの生地制作に関わる重要人物(女性)が作る、通称”H”ウールのジジチェック。”H”を愛し”H”を超えてやろうの意気込みで開発された素材で、簡潔に言うと細番のウールを強撚して限りなくサラサラにしようと。細すぎて織れないから水ビを巻いて溶かすなんてことをしているんだそう。秋冬に着るウールシャツはあっても、真夏対応のウールシャツってこと自体興味出ますし、松村さんもこの類では最高峰の生地じゃないかと。ジジチェックの言われようですが、ブラウン好きな僕の中では普通に着やすいチェック。ニューヨーク的?茶ベースなので印象は秋なんですけどね、着心地は夏です。

 

 

 

 

 

そして、シルクストライプ。共にシルク100だけど経緯で種類を変えているらしい。なんでわざわざ?タテがフィラメントシルク、ヨコがスパンシルクだとか。この狙いとしてはシルク特有の光沢感を抑えて、洗った後にラフになる、カサつきを出してベタつきを徹底的に抑えること。こっちは野暮感皆無の清らか系ライトグリーン。こんな綺麗な色でシルクとか本当に最高です。センスの良いマダムが着るパジャマみたいで憎いやつです。どちらも届いてすぐ持ち帰って洗ってみたんですが、ウールの方は予想通りシワが入りにくいですね。どこまでもサラサラの新感覚です。逆にシルクの方はかなり細かくシワが入ってくれて、とことんこなれます。狙いの“ラフ感”の意味がすぐにわかるはずです。肌にくっつく感じもなく砂漠感あって、これが経緯を変えたことで得られる差だと思います。両方共にお約束の洗濯NG表記付きですが、自己責任で手洗いしたもの(私物)を見れるようにしておくのでぜひ店頭で。元々ビッグサイズと言えるものではないです。とは言えジャストに着るとジャケット感も消えるし今回の趣旨とズレるので、サイズは割と誰もがざっくり着られるフリーサイズ(3表記)としました。肩幅48.5、身幅61、袖丈61.5、着丈76で、広がらず落ちる生地です。金土と営業しまして、残ったら日曜に商品帖にアップします。

 

 

 

 

22.4.15 Fri –

Ex “H” Wool Summer Shirt Jacket
Wool100 / Brown Check
F ( 3 )
59.400 tax in ( 54.000 )

Ex Silk Stripe Summer Shirt Jacket
Silk100 / Smoke Green
F ( 3 )
57.200 tax in ( 52.000 )
MAATEE&SONS