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別注リバボン

 

ボンバージャケット。これをベースにTALONのリバーシブルジップを付け、二面性を狙ったリバーシブルボンバー。称してリバボン。俗に言うフライトジャケット型は、太めトラウザーが多い僕にとってバランスが取りやすい。ensou.がリリースするそれは、布帛と毛足のあるレオパードという攻めの二面性で、めちゃくちゃカッコ良い。似合う人にとっては大ハマりするはずだ。三浦くんとか寺島くんのようなシュッとした人は合う。僕みたいな濃口の九州顔はヒョウと闘うハメとなる。今まさにこれだと思える商品で、今季のハナレでPICKしながらも、展示会中の頭の中は違うことを考えていた。僕に似合う二面性を持ったリバボンとは?ボンバーもいくつか種類があるが、その中でも最もベーシックなMA-1について考えてみた。ダルチザン、ドゥニーム、シュガーケーンなど国産ジーンズに虜だった中学3年生、アメ横で買ったalpha社のMA-1。それをデニムに合わせて似合うのは、キムタクと浜ちゃんだけだった。50cm代のあの短すぎる丈をクソガキが着こなせるはずがなく、その後、ほとんどMA-1的なものを買った記憶がない。このタイミングでensou.の力を借りて、大人が着るMA-1を作ってみたい。そのキーワードとして、ナイロン、中綿、オレンジを掲げ、西川さんにアイデアを出してみる。インラインには中綿は入っておらず、アウターと言うよりジャケットだが、僕の考えているものはアウターになり得るものである。

 

 

 

 

 

 

中綿は難しいと言われると思ったが、「面白そうですね、やってみますよ」と予想外の返事。楽しいことになってきた。そうなると、素材はクラシックに振りたくなる。ドニカバなどでもお世話になった大好きな生地、Fox Brothersのカリカリウールを探る。梳毛の平織り、ビンテージ感のあるハイツイストのカリカリウールは、テーラードJKTやブレザー用としてスーチングの世界で重宝されてきた生地である。ボンバーデザインにこの生地は通常だと余り結びつかないものだが、だからこそ新しいバランスとなるはず。これでオレンジを探す。さすが英国の老舗生地、作ってました。通常ならばナイロン側にオレンジだろうが、どちらかと言うと表側のウール側をオレンジにすることで、ベースからはハズす。その対となるナイロンは、西川さんから「意外にLimontaとか面白いんじゃないですか」と。何だか懐かしい響きのリモンタナイロン。リモンタと言えばナイロン、ナイロンと言えばリモンタ。数多くのメゾンでも評価されてきたイタリアが誇る名門である。今作で選んだナイロンワッシャーは、極細のソフトナイロン糸を高密度に織り上げ、特殊なロープ染色によるシワ、光沢、色の深みが特徴というものだ。MA-1のツルツルナイロンとは全く異なる、シワシワナイロン。Limonta側はベタにカーキも浮かんだが、品良く着たいのでオレンジと相性の良いグレイッシュなベージュにした。そして、英国生地とイタリア生地の内側に挟み込む中綿はパンパンに詰め込むと、冬だけアウターとなり使い勝手が悪くなるので薄めに入れる。秋から春にかけて着れること、レイヤーでリバボンを内側に着る可能性も残したい。最後にネックと袖口にあしらうウールのリブはこの配色に合わせて、わざわざ1から編み立ててもらうことになった。ここの配色は西川さんの感性にお任せした。

 

 

 

 

 

 

そして、オレンジのMA-1から離していく方向性で、もう1色考えることにした。こっちはストレートに“着る頻度”を重視する。ライトグレーにネイビーだ。いつもここに帰って来れる安心感。絶対に外れない、すべらない鉄板、鋼鉄の組み合わせ。スタイリングは言うまでもなく、いつもの感じ。グレーの1トーンは引き続きスタイリングの核となりそうだし、今年は気分が舞い戻ってきているダークネイビーの1トーンも実践したい。そして、ここに一捻りを入れる。上の写真で凝視してやっとわかるくらいだと思うが、Foxのライトグレーの面の内袖だけ、同生地同色のチェックに切り替えた。このさりげなさは誰に気づかれなくとも、自分で知っておけば良い。僕らは自分が高揚することに身銭を切っている。シルエットはタテヨコほぼ同寸で、サイズチャートを見るとゆったりしている?と感じるが着るとそうでもない。中綿を挟んだ分、内側に厚みが出て、インラインよりややジャスト目に感じるのだと思う。寒くなるかは?だが、1月、2月などの極寒時はオーバーベスト、オーバーコートを重ねて完結。柿乃葉で最も支持されたアウターと言えばドニカバだろう。そこに対抗できるモデルになったんじゃないかと思う。片方しか着ないリバーシブルは要らない。クラシカルなウールと、スポーティーなナイロンのマイルドな二面性、両A面の別注リバボンが完成です。金土に店頭受注、日曜正午から23時まで商品帖受注となります。お渡しは11月予定。10月に届くことがあれば、すぐ送ります。

*8.16(金)は台風接近のため、臨時クローズとなりました。サイズについての質問を多くいただいております。店頭でご覧になる方は8.17(土)にご来店お待ちしております。

 

 

 

 

 

 

<受注会について>
今回の販売方法は受注形式となります。アポイント制でなく、ご来店順にお1人さまづつご案内します。猛暑、悪天候を考慮し、ご対応中の際は店内でお待ちいただくか、ご案内できるお時間をお知らせします。店頭受注の後、商品帖受注へ移ります。一般発売は未定です。お支払いは前金7万円(税別)と、全額とを選ぶことが可能です。各種クレジット可能。受注後のキャンセル、また前金の返金などもお受けできませんので、ご了承ください。

 

 

①店頭受注
8.16 Fri – 8.17 Sat / 12:00 – 17:00
フィッティング可能なサイズは写真で着用しているL ( Orange )、XL ( Light Gray )の2サイズのみです。実際に袖を通していただき、色、サイズを選んでいただきます。ボンバージャケットベースでショート丈となり、小柄な方にも着こなしやすいバランスです。通常、ensou.は僕でLを着ることが多いですが、今回のモデルはXLも着れるバランスでしたので、さらに1つ上のXXLもグレーディングしてもらいました。長身の方、オーバー気味で着たい方はXXLもお試しください。各サイズの寸法を記載します。

< Size Chart >
M : 着丈 60.5cm / 身幅 60.5cm / 肩幅 53cm / 袖丈 60cm
L : 着丈 62.5cm / 身幅 62.5cm / 肩幅 54cm / 袖丈 61cm
XL : 着丈 64cm / 身幅 64.5cm / 肩幅 55cm / 袖丈 62cm
XXL : 着丈 66.5cm / 身幅 66.5cm / 肩幅 56cm / 袖丈 63cm

 

 

②商品帖受注
8.18 Sun / 12:00 – 23:00
店頭受注の翌日、日曜の12時スタート、23時に締め切ります。お支払いはこちらも前金7万円(税別)と、全額とを選ぶことが可能です。各種クレジット、または銀行振込となります。月曜には発注をかけますので、銀行振込の方は19日(月)正午までのお振込みが期限となりますのでお気をつけください。

 

 

24.8.16 Fri – 8.17 Sat / 12:00- 17:00 @柿乃葉
24.8.18 Sun / 12:00 – 23:00 @柿乃葉商品帖

Order Event
“ Ex Reversible Bomber Jacket ”
Delivery Date – November 2024

Surface1 – Wool _ Fox Brothers ( England )
Surface2 –  Nylon _ Limonta ( Italy )
Fill – Polyester
Rib – Wool
Orange × Beige / Light Gray × Navy
M / L / XL / XXL
154.000 tax in ( 140.000 )
ensou.