2024.09.04
ニューヨーク的マオリシャツ
去年の同時期からBLACKBIRDの展開をスタートしたが、他とは明らかにアプローチの異なるブランドの世界観に、柿乃葉の常連様からもすこぶる評価が高く、新作を待つ声が着実に増えている。そのお披露目の際に別注したレギュラーカラーのマオリシャツ。BLACKBIRDに存在しなかったSTやCHの上にマオリ刺繍を重ねる提案をしたが、この見え方が僕自身とても気に入っていて、第2弾をお願いすることになった。前作の手記はこちらから。赤羽さんの服はMALHIA KENTなど強めの海外生地を使いこなすイメージもあると思うが、実は国内生地の引き出しが多い。海外のアルチザン系ブランドに少量ロットで生地提供している旗屋のものなど、風合い、質感へのこだわりと、経年後に魅力を増す生地は特に強い。今回も多方面から集めてもらった国産生地の中から選ばせてもらった。旧式の織機で、低速でゆっくりと高密に織り上げたこの生地は、タテのみオーガニックコットンを用いたナチュラルな風合いとドライタッチが特徴。昨今主流の真夏着用を謳うような生地感とは異なるもので、適度な肉感とハリコシを持ったタイプライターだ。9月から冬を超えて5月頃までスタイリングを変えながら通しで着ることが出来るし、洗いを繰り返してもヘタることはなく、ゆっくりと褪色していく様を楽しめる。
今作は第1弾のようなシャツそのもののインパクト感を重視しなかった。何かの内側に着ることにまでフォーカスし、他のアイテムと溶け込むようなスタイリングの多様性を重視する。1枚で楽しんだ後、寒くなってきた頃からさらに重宝するものにしたい。このシャツにはそのポテンシャルがある。そうなると、スモーキーで柔らかなカラーが良い。何かと合わせる時のハードルが極端に下がってくる。選んだ2つのチェックは僕的には欧州ではなく、東海岸的なニューヨークチェックを連想させるものである。押し付けがましくないカジュアルなトラッド感を備えていて、ちょっとおじさんぽく、スラックスとも抜群に相性が良いし、これに西海岸的なフレアを合わせるのも心地よい。そんなグラウンド選びをしたのに、カフのマオリ刺繍は前作よりパンチ力を増しているのも今作の特徴だ。これは赤羽さんが柄に合わせてシミュレーションしてくれたもので、どちらも柿色を差しにしながら、Blue Checkにはサックスを、Gray Green Checkにはシルバーを入れている。落ち着いたニューヨークおじさんなはずなのに、ジャケットやレザーブルゾンなどから見える袖先はと言えば、落ち着き感なくガチャついている。カフス周りの遊びのあるレイヤーが大好きです。個人的に、Vシルクの上に着てやるのが最もしっくり。身幅や着丈バランス、裾のカッティングもレイヤー向きで、ショート丈のアウターとも相性抜群です。スタイリングしやすさという点では甲乙つけ難いと思うので、お好みと、手持ちのアイテムとの相性で。寸法は0で肩幅46、身幅57、着丈79、袖丈63.5。1で肩幅47、身幅59、着丈81、袖丈65です。肩周りがすっきる見えるパターン設計。僕で1を着てます。0は小柄な方、女性が緩めに着るのにも良いと思います。今週も金土の店頭営業、在庫があれば日曜に商品帖に掲載します。
24.9.6 Fri – 9.7 Sat / 12:00- 17:00 @柿乃葉
24.9.8 Sun / 12:00- @柿乃葉商品帖
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Ex Regular Collar Shirt
Cotton
Blue Check / Gray Green Check
0 / 1
55.000 tax in ( 50.000 )
BLACKBIRD