2024.10.09
Sleeveless Director’s Jacket
どこにも属さない世界観を確立し、ファッションと芸術を行き来するBLACKBIRD。既に柿乃葉にとっても、僕自身にとっても重要な存在になっている。そんなブランドが作る商品の中でもとりわけ完成度にこだわったDirector’s Jacket、それをベースに袖をぶった切ったのがこの商品だ。処女作として今春にリリースされたMALHIAKENTのSleeveless。まさに“着る芸術”と言えよう、圧倒的なオーラ。一見自分には派手かと思ったが、袖を通すと一気に所有欲が高まった。1週間我慢したら手に入れようと思っていた矢先、旅立ってしまった。今見ても美しいSleeveless。
ベスト的な立ち位置ではあるが、これは紛れもなく袖無しテーラードである。すぐに次シーズンの取り組みを開始した。着る喜びに包まれるようなパワーのある服を作ることを前提にしながら、着ることに少しの勇気とアイデアが必要なMALHIAKENTのそれより、もう少し気兼ねなく着れるものにしたい。色々な所から生地見本や、アーカイブを集めてもらった中で、赤羽さんが一押ししてくれた面白い生地がある。日本が誇る尾州で織り上げられたメリノのビックガンクラブドビー。どうやらこの生地は、24SSのコレクションに入れるか、最後の最後までMALIHAKENTと迷ったらしい。沢山の候補生地から勝ち残るも、最終選考に漏れて世に出なかったスーパーリザーブは、僕自身の好みにも、狙ったテーマにもピタリとハマった。使わない手はない。タテはチャコールグレーのメリノ。ヨコは同じくメリノだが単色でなく絣糸であり、オレンジ、パープル、レッド、ブルー、グリーンなどのスモーキーカラーが段染めされている。それらをドビー織機にかけ、大きめなガンクラブに織り上げていく。ドビー特有の表面の凸凹と立体感、多色の絣糸のモラモラにより柄はボヤけており、ガンクラブと言われてもよくわからない程だ。
メインのボタンは、今作のために考えてもらったオリジナル。メタル混のリネンを柿渋で染めて手巻き。この工程全てを赤羽さん本人が担当してくれていると聞いてちょっと驚いた。
柿渋リネンの対にあるのが、オールドキリムで包んだアソートの裏ボタン。そしてグレー主の配色に色を変えたパッチワークの裏地。ダイヤは柿色だそう。外から見えない所にまで、これでもかとハンドワークの美を足していく。
写真に抑えるのも難しい生地だった。何色?とも表現し難いが、事実タテのグレーの分量感が最も多く、実物を見るとグレー系のMixと認識できるだろう。皆の制服とも言えるグレーのスラックスを履けば、内側に何でも着れる安心感もあるし、黒のトーンにはもちろん、茶系にもすんなり合わせることができる。インディゴデニム、ブラックデニムにも抜群に相性が良かった。今年もレザーの上やテーラードに上に重ね、寒くなるまではハイゲージタートル、シャツ、ロンTeeの上にさらっと羽織る。商品としてのパワーは勿論、コーディネートのし易さも持ち合わせており、これはどうやってもレイヤーすることを避けられないSleevelessにとって好都合だ。サイズは1のみ。着丈73、身幅59、肩幅44。オーバーベストと言うまでのビッグサイズではないものの、ある程度の方がゆったりと着てもらえるバランスかと思います。金土の店頭営業、在庫が残りましたら日曜正午に商品帖を更新します。
24.10.11 Fri – 10.12 Sat / 12:00- 17:00 @柿乃葉
24.10.13 Sun / 12:00- @柿乃葉商品帖
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Ex Sleeveless Director’s Jacket
Merino Wool
Mix
1
198.000 tax in ( 180.000 )
BLACKBIRD