2024.11.21
Ex 4th – “FILETTO” Zip Boots
ドレトラ、太めのビンテージデニム。ワイドストレート一辺倒だった時期を経て、それに加わるようにフレアを履く機会がじりじりと増えている。そうなると自然にブーツに頼ることが増えていき、また1年前あたりからDress Westernの出番が急に増えた。ワイドにも良く合うブーツだが、フレアとの相性の良さはさらにその上を行く。Dress WesternにはHRMラストと呼ばれる木型を採用しているが、このHRMのトゥまわりはユカさんが1980年代にHermesで購入したブーツにインスパイアされたものだ。ウィメンズ応用の木型であり、僕達が見てきた質実剛健でたくましいブーツの姿はそこにはない。トゥからシャフトにかけての華奢で流れるようなシルエットはその佇まいを眺めるだけでも色気があり、足入れした時はどの角度から見ても美しさが潤っている。他のブーツでは替えの効かない唯一無二の存在に定着した。(このDress Westernも、同タイミングでHANAREで復刻する)
そうなると、だ。日々のスタイリングに落とし込む時、お気に入りの黒ブーツ頼みでは事足りないと気づく。自分と言えば、デニムは履き込んでフェードしたものばかり、フレアは生成りや薄グレー、ドレトラやジェフリーは色々なパターンを所有しつつも基本となるのはグレー、グレージュ、ベージュ系など薄色。そこに古着のTシャツ、シャツ、ニットだったりの強色を差して、羽織りはアースカラーといったスタイリングをする日が多い。そう、自分には薄色のブーツが必要だったのだ。1年に2度、展示会で会うユカさん。その日もオーストリッチのベージュのセンターシームブーツを、それはそれは素敵に着こなしていた。今、自分的にはウィメンズ的なディテールをメンズに応用するのが気分であり、ブーツでも素直にユカさんの靴を真似してみようと思った。男でこんな靴、履いている人見かけない。だから、作る意味がある。Le Yucca’sのメンズでもセンターシームブーツはあるのだが、ヒールが高くロックミュージシャン?のような出立ちで自分の好みとは少しズレていた。ラストは惚れ込んでいるHRMが絶対的に良かった。展示会にHRMラストでDress Westernより背が低めのショートブーツが並んでいて、それとのミックスを依頼した。アウトラインはHRMのショートブーツ、デザインはセンターシームのジップアップ。ブレーントゥをT字に切り替えたようなパターンで、このシームには伸縮と強度の高いテープ状のカンガルーレザーを縫い付け、デザイン性と耐久性を両立させている。裾幅広めのボトムスが多いので、一見プレーントゥに見えたりもするが、この切り替えが裾からチラッと見えると急にデザイナーズ的なキリッとした面持ちに変わる。外見からステッチを隠すテープ取りをイタリアでは、FILETTOと呼ぶそうだ。名前はユカさんからの案でそのまま”FILETTO”と名付けられた。
素材は2種類を用意。1つ目はイタリア・トリノの名門ILCEA社、Betis Calf。フランス産のキメの細かい原皮であり、クロムながら均一ではないグラデーション感があったりとその個体差もあり、もっちりとした美しくエロい光沢、そしてこの色が素晴らしく好みだ。明るめのキャラメルブラウンと言ったところだろう。Le Yucca’sとの2作目で作ったブランデーコードバンローファーと比べると赤みはなく、やや黄色味があると言った感じで、ご覧の通りでデニムとの相性も申し分ない。パティーヌのように自分で色を足し引きすることも出来るだろうし、様々なスタイリングに合わせやすいと思う。そして、もう1つはユカさんが履いているブーツと全く同じ素材。オーストリッチのベージュ(正式にはOryxと言う)。ユカさんもスラックススタイルが多い方で、これをカーキのスラックスに合わせたり、プレスしたデニムに合わせたりしているのが優雅で品があってずっと憧れていた。カンガルーレザーのパイピングとも配色になった、わかりやすいシャレ感。トラッドマインドなスラックスにも良く合うし、ニットにデニムと言った何でもないスタイリングであっても、この靴があればとびきりのファッションにしてくれる。オーストリッチは柔らかく足を包み、履き込むことで足形にもフィットしやすい。サイズ選びに関しては、足形も骨格も皆それぞれなので一概には言えませんが、一般的にはKARENAよりハーフ上げるくらいがベストかと。例えば、KARENAの41がジャストなら、41.5を選ぶ。KARENAの41がやや緩めなら、41を検討すると言った具合。シャフトが細めで足首にも寄り添うようなパターンなので、中に多少緩さがあったとしてもフィット感があります。同じHRMラストのDress Westernと比べると、背も低くサイドジップもあるので脱着はだいぶ楽に感じるはずです。今回の受注品の購入方法は、昨日アップした手記に記載しているので、こちらからご覧ください。フィッティングをしに、是非鎌倉まで。遠方の方、初めましての方にもお会いできる機会になればと思っており、とても楽しみにしています。
<Appointment>
Day / 11.22 Fri / 11.23 Sat / 11.26 Tue
Time / 12:00- / 12:45- / 13:30- / 14:15- / 15:00- / 15:45- / 16:30-
①氏名 ②携帯番号 ③ご住所 ④第3希望までの日時
4項目を明記の上、<問合せ>よりご連絡ください。
<問合せ>はこちらから
info@kakinoha-kamakura.com
<予備日>
11.29 Fri – 11.30 Sat / 12:00- 17:00
上記、予備日となります。29(金)、30(土)は他の新作発表をメインにオペレーションを行いますので、長時間お待ちいただくことがあったり、十分な時間が取れないことも考えられます。ご調整可能な方は、アポイント期日にいらしていただくことをお勧めします。
<商品帖>
商品帖は更新しますが、サイズの受注ミスを防ぐためカート購入は行いません。Le Yucca’sのHRMラストを所有している方、Le Yucca’sの靴に慣れている方は、サイズ特定が出来れば、受注をお受けできることもあります。商品帖内の問い合わせより、ご連絡ください。
24.11.22 Fri – ( Cut Off Date – 11.30 Sat ) / 12:00- 17:00 @柿乃葉
24.11.24 Sun 12:00- 11.30 Sat 23:00 / @柿乃葉商品帖
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Order Event
– Ex “FILETTO” Zip Boots –
Last / HRM
Process / Goodyear Welted
Size / 38-44
Delivery Date / June 2025
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Material / Betis Calf – ILCIA ( Italy )
Color / Caramel
231.000 tax in ( 210.000 )
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Material / Ostrich
Color / Beige
346.500 tax in ( 315.000 )
Le Yucca’s