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Irish Linen SAL Jacket – 25SS

 

 

 

 

先週、秋冬最後の商品を終えたばかりだが、早くも春物のジャケットのお披露目。とは言え受注会なので、春を感じられるようになった頃にお届け予定です。柿乃葉でこれまで何度かリリースした僕の大好きな“作りかけジャケット”のSAL2。それの初代にあたるのがSAL Jacketということになるが、そもそもこのモデルが誕生したのは2016年頃、8年も前ということになる。ensou.最初期のデザインのひとつであり、古いフランスの制服、ワークウェアを独自解釈でアレンジしたものだった。僕もBLOOM&BRANCHにどっぷり浸かっている頃で、当時はこのジャケットのこともensou.のことも知らなかったわけだが、柿乃葉を始めてから過去のサンプルとして見せてもらったことがあった。そして、24AWインラインにSAL Jacketが舞い戻ってきたことで、今作に繋がったというわけだ。ensou.最初期の“SAL”はもっとジャケットらしいコンパクトで体に沿うデザインだったが、ディテールはKeepしたまま適度なリラックスジャケットへとパターンを置き換えている。着たらおしまいだ。まんまと僕の気分を捉えられている。西川さんがデザインする独創的な服は、服の造形をした作品である。決して他で手に入るものでは無いし、彼のジャケットのパターンは僕の体にも良く合うので、何か作りたくてウズウズしてしまった。

 

 

 

 

下襟をステッチに沿って大胆にチョップしたラペル。洗うと少しづつほつれてくるので、ラフに残すか整えるかの塩梅はお好みで。パタンナーである西川さんの服はダーツの取り方に特徴があるものが多い。“Jacket”は肩が勝負だが、このダーツを用いた立体的な作り込みによって、後ろから包まれているような感覚がある。ナデにも合うし、スクエアな僕の肩にもすっぽり収まるのが不思議。

 

 

 

ラペルを立てると黒いテープが隠れており、このテープはネックの内側にまでぐるっと一周している。機能的側面と違和感あるデザイン、双方を狙ったディテール。無造作に襟を立てるのも良かった。

 

 

 

ゆったりとしたカフス周りはフレンチのユニフォームや、サックジャケットなどに見られるデザイン。そのままでも、ラフに折り返しても良い。ボタンは黒の水牛ホーン。力ボタンは黒のシェル。

 

 

 

 

 

 

 

当時のものより、ラフに作ったジャケットなら、いっそのことシワをプラスに捉えられて、適当に着れるものが良い。着るというか、羽織るという感覚。すぐさま、インポートの面白みのあるリネンやヘンプなどを探してもらった。中から選んだのはW.Billのアイリッシュリネン。W.Bill (ウィリアム・ビル) は1846年にウェールズで創業した老舗マーチャント。カントリーテイストがお家芸であり、冬ならシェットランドツイード、そして夏のアイリッシュリネンも味わい深い。テロ系の薄いリネンでなく、プリッとしたヘビーリネン。スパイスの効いたSAL Jacketのデザインに相反する、その素朴でおだやかな風合いは、手塩にかけてクッタクタに育てていきたくなるやつだ。色は真っ先にイエローを選んだ。暖かくなるとこんなハッピーな色を欲してしまうし、シワを肯定出来るリネンならさらに着やすいはずだ。色落ちしたデニム、薄色のドレトラにさらっと合わせるイメージ。そして、やっぱり外せないネイビー。これは色々な濃度のものがあったので数日迷いつつ、シャンブレーのものを選んだ。裁ち切り部に目をやると、くすみ系グリーン、くすみ系ブルーの2色のリネンから出来ている。決して都会的でなく、スモーキーでグレイッシュな野暮ったい浅ネイビーって言うのが乙だ。スタイリングの難易度も易しく、何ら心配はない。

 

 

 

 

フロントから裾にかけても全て裁ち切り。SALシリーズのテーマのひとつでもある“完成させない”デザイン。既に洗いもかかっていて、糸も飛び出ているラフなジャケットは、プレスの効いたトラウザーに合わせても堅苦しくならない。

 

 

 

袖裏のキュプラは、ボディの色に合わせたストライプ。裏返しにすると面白いを作りをしているのがわかる。袖先の10cm強上で裏地が終わっている。

 

 

 

中央ハギから深めのセンターベント。と思いきや、裏に1枚共生地を足し、深めのプリーツで運動量を取ったインバーテッドベント。古いトレンチコートなどに見られるディテール。

 

 

 

 

今回はフリーの受注会形式。店頭では実際に着用してもらって色、サイズを選ぶことができます。3サイズ展開。Mで着丈72、身幅53、肩幅46、袖丈59。Lで着丈74 、身幅55、肩幅48、袖丈60。XLで着丈76、身幅57、肩幅50、袖丈61です。上の写真だとイエローがL、ネイビーがXL。僕(177/68)はLがジャスト、XLでゆるゆるっとした感じ。どっちのサイズも良さがあり、サイズ迷ってます。色も。タイミングが合う方は、是非店頭でフィッティングをお勧めします。黄色のジャケットはなかなか出会えません。お渡しは数量にもよりますが、3月末から4月頭にはいけそうとのこと。中にシャツやコットンのニットを着て、ちょうど良い季節かと思います。金土に店頭受注、日曜に商品帖受注で〆となります。詳しくは、下記をご覧ください。この商品をもって、柿乃葉は年内最終営業です。来週以降はタイミングが合う日であれば、アポイントで承る予定です。お試しになりたい商品を明記の上、前日までにHPの問合せよりお気軽にご連絡ください。1月は2週目か、遅くても3週目にはスタートしたいと思ってます。ハナレは29日まで営業予定で、まだまだHOTな商品ありますよ。いつもご愛顧いただいている皆様、本年もありがとうございました。

 

 

 

 

<店頭受注>
12.20 Fri / 12:00 – 17:00
12.21 Sat / 12:00 – 17:00
現物で3サイズご用意しています。色の確認、フィッティングが可能です。今展はアポイント制ではなく、ご来店のタイミングにてご対応します。混雑状況により、少しお待ちいただく可能性があります。お支払いはクレジットか現金の選択、前金5万円(税別)か全額の選択が可能です。前金お選びの際は、受注品到着時にメール決済、または銀行振り込みで残金をお支払いいただき商品発送となります。

 

 

<商品帖受注>
12.22 Sun / 12:00 – 23:00
上記の時間、商品帖受注が可能です。23時に自動で締め切ります。店頭受注と同じくクレジット、銀行振込の選択が可能です。前金もご用意しています。銀行振込は12.23 Mon 12時までにご対応いただける方のみでお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

24.12.20 Fri – 12.21 Sat / 12:00- 17:00 @柿乃葉
24.12.22 Sun / 12:00- 23:00 @柿乃葉商品帖

Order Event
– Ex Linen SAL Jacket –
Irish Linen – W.Bill ( UK )
Yellow / Smoke Navy
M / L / XL
132.000 tax in ( 120.000 )
Delivery Date / Late March – Early April 2025
ensou.