2025.02.19
Cut Off Sleeve Jacket
ensou.が25SSに向けて新しく作った生地。それが、今作で使用するリネンとウールを交織したチェック。英国的な素材使いは西川さんの得意とするところであるが、これは一味違う。トラッド感を抑え込んだBlackとWhiteのモダンなパレットに、“無地見え”するシャドーグレンチェックを組み合わせたソリッドなアプローチ。さらにリネンのシワ感とシャリ味、ウールの光沢と強度を掛け合わせた素材は味わい深く、パキッとした切れ味も兼ね備えている。ありそうでなかなか無いだろう、この生地作りの考えに共感し、何か出来ないかと考えていた。いつかベースにしたいと思っていたアーカイブがある。2023年秋冬、HANAREをスタートした最初のシーズンに展開していたオーバーダイツイードのカットオフジャケット。24SSには新しいデザインに変わり1シーズンだけで終わってしまったが、僕はこの初代モデルがとても好きで、このデザインをそのまま復刻し、今回のシャドーグレンチェックに置き換える依頼をした。ベストの形はしているものの、袖無しのジャケットと考えるとデニムとの相性は間違いない。今月完成したフレアに合わせたい。Blackは作る前から完成形とスタイリングが想像出来ていたので、ストレートに生地替えをしてもらう。
わずかな色差で陰影を作ったリネンウールのグレンチェック。Blackのみの仕様として、ドイツのステンレス混の刺繍糸を西川さん自らが手刺ししている。これも23AWモデルをオマージュ。ensou.オリジナルのピンは好きな位置に付けてアクセントとするも良し、取り外してシンプルに着こなしても良い。
外と内、それぞれの腰ポケットの袋布を通常より大きめにし、分量をもたせている。ポケットに手を突っ込んでこの袋布をクシュクシュにすれば、腰回りが膨らんで服全体がエアリーに立体的に見える。内側の副資材を外観にまで作用させる独創的なデザイン。
フォルムとしてはベスト型ではあるが、単なるベストとは言いにくい。実際にテーラードジャケットを作る工程を踏んだ後、肩から潔くハサミで切り落としている。その断面を見ると芯や裄綿などの副資材が覗き、本格的なジャケットの作りだと確認できる。
Whiteはそのまま作ってしまうと、無垢過ぎて僕には着こなせないかもと思ったので、西川さんにお任せで頼んでみることにした。少々野暮さがあった方が良く、コッテリした方がジャケットの“白”は着やすくなると思っていた。「出来たので一旦送りますね。結構良い感じだと思います。」と、早い段階で連絡がきた。予想通り、任せて正解だった。どちらの色も、西川さんお手製。デザイン、パターン、生地、縫製と全てを1人で完結できる作り手を心底リスペクトしています。スタイリングは難しいことはなくハイゲージのニット、タートル、シャツ、ロンTeeなどの上にさらっと重ねるだけで、しっかりとしたファッションにしてくれます。ジャストなレザーやデニムジャケットの上にも着れました。サイズはフリーで、Blackは着丈76、身幅54、肩幅49です。White Mixはこれより、各部1cmから1.5cm程度大きめに上がってます。どちらも仕上げに水通ししており、縮率の差でしょうか。実際に着て試してもらえれば幸いです。今週も金土に店頭発売となります。在庫が残りましたら日曜正午に商品帖を更新します。
不規則なパッチワークのWhite Mix。シャドーグレンのWhiteの他、白からベージュのグラデーションパッチワークで構成される。過去作の残生地や新調したものなどリネン主体の5、6種類の生地を用いて作ったそうだ。さらに、ensou.初期を思わせる手書きの品質表示など、西川さんの熱量が伝わってくる。
どちらの色も、外見は水牛のホーンボタン、力ボタンはシェル。
25.2.21 Fri – 2.22 Sat / 12:00 – 17:00 @柿乃葉
25.2.23 Sun / 12:00 – @柿乃葉商品帖
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Ex Cut Off Sleeve Jacket
Black
Body _ Linen64 Wool36
Lining _ Cotton
F
115.500 tax in ( 105.000 )
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Ex Patchwork Cut Off Sleeve Jacket
White Mix
Body _ Linen64 Wool36 … And More
Lining _ Cotton
F
154.000 tax in ( 140.000 )
ensou.