2025.02.25
“裁ち切り”シャツ
シンプルで端正、丁寧に作られたドレスシャツに食指が動かなくなっているのは僕だけじゃないはず。BLACKBIRDの作るシャツにプレーン過ぎるものはなく、一癖も二癖もあって新作を見る度にワクワクさせてくれる。25SSに新しく発表されるCut Off Collar Shirtはこれまで見てきたシャツの中でもとりわけ異質であり、今の気分に重なる部分が多い。まず羽織って感じる、気分な緩めシルエット。レザーJKT、ニット、スウェット、スラックス、デニムなどある程度体にあったサイズのものを選ぶことが多くなったが、シャツだけはちょっと違っていて、ジャストなものの着用度は少なく緩めのものの出番が圧倒的に多いことに気づいた。今はドレトラかフレアデニムがボトムスの大半であり、そこそこシャープに見える部類だと思う。それらに合わせようとするシャツは、だらっと気が抜けたようにこなせるバランスが心地良い。肌寒くなれば中にニットを着込める余白があるのも好都合だし、裄丈がやや長めだと袖レイヤーの面白さも増える。日中暑い時はサッと脱いでバッグの中に丸めたり、腰に巻きつけたり出来て、夜になってまた羽織る時であっても、シワが気にならず、なんなら肯定的に捉えられる素材なら尚更、高頻度に着るものになる。ニットの上にまで着れるリラックス感、ドレスシャツと反対のベクトルのカジュアルな素材、手仕事のアクセントやラフな仕様を持った“雰囲気系”シャツは今、僕の中で最も旬な要素であり、そんな今を全て反映してしまったシャツが、今作のCut Off Collar Shirtだ。
プロトとしてとあるシャツにハサミを入れる工程からスタートしたらしい。襟を大胆にカットし、台襟のみ残っている状態。さらに前立ての上部をVになるように切断して、さらに安定させるための細かいギャザーを入れている。その他を見てもほぼ全ての生地端を裁ち切りにした大胆でラフな始末。
シャツ用の小さなボタンでバッファローホーンを使用するのは、他ブランドではなかなか見られない。適度な厚みがあり、黒や茶、マーブルなど色や表情の差が面白い。細部に強いこだわりを持つBLACKBIRDらしいディテール。
表から見るとポケット無しのシャツだが、裏返しにするとジャケットの内ポケットのように中に隠されていた。大胆なカットオフデザインを際立たせるように、それ以外の要素はスッキリ見せている。
(ブランド推奨では無いが)襟を寝かしてラペルを作るようにし、シャツジャケットのような着方ができる。シャツを裏返しにしてこれを行うと、ボタンが留めやすく、ラペル的なものを固定しやすかった。カフス裏に仕込まれた千鳥格子や、通常は見えないポケットも表に出てきてさらに癖も増す。暖かくなったらプリントTeeの上にゆるっと羽織るように着たい。アテンションタグは躊躇せず切ってしまおう。
素材は僅かにポリウレタンの入った超微起毛の薄手コットンネル。バイアス方向にほんの気持ち伸縮する程度で、このポリウレタンの意図は落ち感とトロみを出すためだそうだ。少し毛羽があって柔らかくて軽くてカジュアルに着れる生地であり「今、この位がちょうど良いよね」と思えるバランスに仕上がっている。サイズは0で着丈79、身幅61、肩幅53、袖丈61、1で着丈81、身幅64、肩幅55、袖丈63です。通常より大きいグレーディングピッチで、僕の着用は1。フリーサイズの感覚で生産比率はほぼサイズ1にしており、0は小柄な顧客さんのために、ごく僅か作りました。絶対に滑らないシャープ見えの白黒ギンガム、ややカントリーテイストのトリコチェックを柿乃葉別注カラーとして制作。どちらもブリティッシュとアメリカの混血のような感覚で、シャツのように、カーディガンのように、ジャケットのように自由なスタイリングを楽しんでください。シンプルに着ても良いし、内側にはハイゲージニット、タートル、無地シャツ、ビンテージスウェット、ベスト、古着のTシャツなど、レイヤーバリエーションも豊富。僕自身もこのシャツは本当に気に入ってます。金土に店頭展開。HANAREではインラインのグリーンチェックを同日発売予定です。これも甲乙つけ難いナイスカラー。鎌倉にいらっしゃる方は是非、白黒、ブラウン、グリーンの3色のチェックを見比べてください。柿乃葉別注の2色は残りましたら、日曜正午に商品帖へ在庫を移します。
25.2.28 Fri – 3.1 Sat / 12:00 – 17:00 @柿乃葉
25.3.2 Sun / 12:00 – @柿乃葉商品帖
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Ex Cut Off Collar Shirt
White Black Check / Trico Check
Cotton99 Polyurethane1
0 / 1
55.000 tax in ( 50.000 )
BLACKBIRD