2025.09.18
主役と脇役、ヘンリーニット。

小原さんはまだまだ若い女性デザイナー。僕より一回りほど下。ニットデザイナーとしての経験を積み、2023年からニットブランド“obafer”をスタートさせている。彼女はデザイナーであり、編み職人でもある。全てでは無いがデザイン、パターンからニッティング、仕上げまで全て1人だけで行う商品もあって、彼女の好きなものや、やりたいことは明確である。温かいだけではない、温度感のあるニット。生産効率を無視した強烈な拘りとセンスでニットに向き合っている。展示会でひとつのハイゲージセーターに出会った。気分を上げたい時に着て欲しいと、大胆な色使いのアシンメトリーのボーダー袖。でも子供っぽくならないようにと、あえて工業機で12ゲージで端正に編み立てている。僕的にはこのアプローチには懐かしさもあった。20年ほど前、僕がファッションの世界に入って四苦八苦している頃、こういった遊び尽くしたハイゲージニットがいくつかあったのだ。インポート全盛のこの頃のファッションシーン。イタリアのニットブランドは特に面白くて、こういった攻めのインポートニットをさらっとデニムやスラックス、革靴で履くのが素敵な大人に見えた。その頃、小原さんはまだ小学生の低学年でその流れを知るはずもなく、きっと感覚的に作っているんだと思う。このニットを「今の僕ならこう着たい」に落とし込んでみたくなった。

素材はコットンとカシミヤの混紡。落ちカシミヤを使っており、繊維長が通常のカシミヤより短いため毛が吹きやすく、着れば着るほど洗えば洗うほど風合いが増していく。コットンはアメリカ産で、甘撚りのため軽量性に優れている。別注として2色作っておりベースカラーはLight BlueとHeather Gray。中に着た時の見え方をベーシックにしたくて、どちらも杢糸を選んだ。そしてネックは3Bのヘンリー仕様に変更してもらった。ボタンはドレスシャツや装身具に使われる黒蝶貝。まず、ヘンリーニットってだけで洒落感が出るし、中に着ても1枚で着てもニュアンスづいて、ボタンの開け方までその時の気分を反映できるようになる。

Light Blueの袖はパープルとダークネイビー、Heather Grayにはグリーンとミディアムグレーを選んだ。中に着る時はとにかく汎用性と少しの袖先の違和感、1枚で着るとしっかり個性を発揮するように。そして僕的なおすすめのスタイリングが、肩掛け、タスキ、腰巻き。スタイリング自体に面白みが無い日こそ、このアシンメトリーボーダーをアクセサリーのように使ってみると一気に垢抜ける。

攻めと守り。主役と脇役。スタイリングによって全く性格が変わってしまうようなニットにしたいと思って出来たのが今作。まず、レイヤーをする時。シャツ、ジャケット、Gジャン、レザーの下に着る時にはとことん脇役に回る。ヘンリーを2つか3つ開けて、ちらっとアシンメトリーの袖が見えている。時にはベストを羽織って、そして1枚で主役に抜擢する日があっても良い。お約束のデニムやスラックスにさらっと合わせ、小原さんの考えた「気分を上げたい時のニット」の役割もしっかり果たしてくれる。サイズに関しては、内側に着ることを想定した時のバランスを考慮してインラインから着丈を3cmほど短くしてもらった。僕より小柄な方でもLで着れるバランスで、ゆるっと着たい方、高身長の方に向けて既存には存在しないXLサイズを少しだけ作ってもらいました。サイズ詳細はLで着丈68、身幅57、肩幅43、袖丈68。XLで着丈70、身幅59、肩幅44、袖丈69.5。写真では僕(177/68)はLを着用。ドレトラやフレアデニムユーザーへ。先週のデニムジャケットとのサイズバランスも抜群です。最後に素材とケアに関して。先述の通り、洗うことで風合いが良化し、さらに柔らかくなります。10回洗濯のテストで着丈−1cm、肩幅+1cm、身幅+1cmとそこまで新品時より大きく変わりません。手洗いです。30度以下の洗剤入りのぬるま湯で押し洗い、すすぎの際に柔軟剤を入れるのも良し。小さなネットに入れて脱水5分。平干しで陰干し。もし、シワが気になればスチーマーかけてください。世になかなか存在しない二面性のあるニットです。金土に店頭発売。在庫が残りましたら、日曜正午に商品帖を更新します。

25.9.19 Fri – 9.20 Sat / 12:00 – 17:00 @柿乃葉
25.9.21 Sun / 12:00 – @柿乃葉商品帖
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Ex Henry Border Sweater
Cotton80 Cashmere20
Heather Gray / Light Blue
L / XL
61.600 tax in ( 56.000 )
obafer



