2025.12.17
Revival – SAL2 Jacket

「SALは映画オン・ザ・ロードの主人公である、サル・パラダイスから拝借しました。この映画は終着地が目的ではなく、“道中”に目的があるというかそんなストーリなんですが、“SAL2” も完成させるまでの“道中”にスポットを当てています。ビスポークテーラーの定説とはだいぶズレた邪道なやり方も入れ込んでいて、特殊ミシンを使って新しい方法で毛芯の入ったジャケットを作ったんです。デザイン画では表現できない制作工程の途中の遊びだったり、ある部分は縫製せずに完成させないままだったりと、そんな“作りかけ感”がコンセプトになっています」
4年前、ensou.の西川さん談。周知の通り、本格的なテーラードジャケットは表地と裏地の選定だけでなく、その内部に隠れた毛芯、パット、カラークロスなどの副資材、複数のミシン、手刺し、アイロンワークなどを駆使して、体を立体的に包むように構築される。基礎や骨組みがしっかり整った上で完成し得る、言わば建築的な服である。そんな本格的なテーラードをデザイン、パターニング、裁断、縫製に至るまで自らの手で完結出来る西川さんが、あえて制作途中で止めてしまったような、作りかけジャケットが“SAL2” だ。過去に別注として作らせてもらった“SAL2” Linen Sand Beigeは、約4年の月日を経てくったりと僕好みの何とも言えない風貌にまで育った。いかんせんTシャツに着ることが多かったので、もっとジャストに着たくなって手洗いは3度。思いのほか縮みはなかったが、生地のハリが収まり馴染んだことで、結果として望んだ方向になった。着用、洗濯を経てエッジは砕け、“ハ刺し”ステッチはほつれ、副資材はしっかり外に露出し、腕には深いしわが形成。着るうちに余計に愛着が増し、私物のシングルテーラードの中でも最も愛すべきジャケットになった。アトリエメイドの手間と時間のかかるジャケットで、当時多くの数量が作れなかったこともあり、沢山の方に再販の声をいただいた。アルチザン好きのお客様が多い。だが、英国のこのユニークなリネン生地は既に廃盤。英国で再生産されていないか、類似のものは存在しないか、定期的に西川さんには相談していたが、どうやってもリクエストには応えることができなかった。そして、一通のLINEが届いたのが今年の6月のこと。一気に風向きが変わることになる。

LINEを開くと、あの生地の画像が映っている。試織してみたら、予想以上に上手くいったとのこと。なんと、廃盤になった英国リネンの生地端を解体、糸レベルまで掘り下げ、色、リネンの節、ネップや番手差まで、国内の生地屋と一緒に忠実にリプロダクトしたというサプライズだった。白、ベージュ、モスグリーン系グレーの3つのリネン糸で構成。引きではグレー味のあるベージュ、寄りで見ると3色それぞれの糸の太さも異なるのがわかる。強めのネップ、荒々しさのあるリネン特有の不均一さを持ったユニークな生地は、さらに個性的に育っていく。

“SAL2”最大の特徴である、未縫製箇所の多いエッジ。通常目にすることはない副資材が外に露出。偶然なのか狙いなのか、それらがベージュアイボリー系のグラデーションとなり、デザインとして美しく成立している。さらに胸から腰にかけては、生地の上から白ステッチがうっすら見える。本格的なジャケットは、生地と芯地を緩めに固定するため、特殊ミシンを用いて“ハ刺し”ステッチを施す。そんな内部に隠れて見ることが出来ない“ハ刺し”を外装にデザインとして取り入れた、ensou.の掟破りな遊び。このステッチが次第にほつれていくサマが、また堪らなく気分を上げてくれる。

フロント、本切羽のボタンはマットな水牛。裏地は打ち込みの良いコットンで、その上から縫われた力ボタンは黒蝶貝を裏使いしたもの。それぞれに個体差が見られて気分が良い。そして、西川さんの作るジャケットを語る上で見逃せないのが、ダーツを用いた立体的な肩回り。肩と背中の後ろからガバッと包み込むようなパターンが秀逸で綺麗に見え、これはバックシャンまでも美しいということ。まさに「ジャケットは肩で着る」を体現している。

“SAL2”のシルエットに関しては、シングルとしてはやや緩めで、ウエストの絞りもそこまで強くない。肩は薄いパットが入り構築的で、しっかり乗る。今回、初のXLも作り、3サイズの展開です。Mで着丈74、身幅55、肩幅46、袖丈61.5。Lで着丈76、身幅57、肩幅48、袖丈62.5です。XLで着丈77.5、身幅59、肩幅50、袖丈63.5です。上記スタイリングは全て私物着用、僕(177/68)はサイズLです。納品時は未洗いで、着るたびに少しずつ砕けていく。少し大きめに感じる方、さらにくたっとさせたい方は、水を通す(洗う)のも有りだと思いますが、厳密には僕の私物の“SAL2”とは異なる生地なので、自己責任で進捗にお願いします。まずは、霧吹きで水をかけて揉み込むのも良いですね。お好みの表情に仕上げてください。スタイリングを思い返すとシャツに着ることもありましたが、プリントTeeに羽織ることが多かった。ベースの色がベージュ系なので、個性的な古着Teeにも、強色にも高相性。肌寒い季節はハイゲージのタートル、Vネック、ヘンリー、そしてスカスカになった薄手でジャストなヴィンテージスウェットも。ボトムスはインディゴデニム、スラックス。少し前はワイドに合わせることが殆どだったけど、今はフレアに合わせる方がしっくり感ありますね。あとはホワイトデニムとか、白のペインター、強めにフェイドしたブラックデニムも良いと思います。この“SAL2”に関してはパキッと色差を出すより、上下を馴染ませるように薄色のボトムスと合わせる方が好み。シンプルに着て、それで十分です。ensou.にしか作れない、唯一無二のジャケット。お待ちかねの方も、初めて知る方も、是非この機会をお見逃しなく。この“SAL2”より26春夏のスタートになりますが、柿乃葉の年内最終商品でもあります。皆さま、本年も有難うございました。下記に、販売方法を記載します。
<受注会について / 納期予定 26年4月中旬 – 9月>
販売方法は、受注形式です。また、納期に関して今作は、1点1点アトリエメイドでの制作となり、西川さんの多忙でないタイミングに少しずつ作っていただく形となります。来年の4月を第1便とし、遅い方で9月まで入らないと思いますが、幅広く設定しています。店頭にいらした方→商品帖の方という流れで、先着順での分納生産となります。納品まで長期でお待ちいただく可能性があることを、ご了承いただいた上での受注をお願いします。金土の店頭受注後に、日曜正午より商品帖受注へ移ります。詳しくは下記をお読みください。お支払いで前金 ( 上代の半額 )をお選びの方は、納品時にメールを差し上げますので、残金 (クレジット or 銀行振込) のお支払いをいただいてからの発送となります。受注後のキャンセル、また前金の返金はお受けできませんので、予めご了承ください。
①店頭受注 / 入店フリー
12.19 Fri – 12.20 Sat / 12:00 – 17:00
今回はアポイント制ではありません。特に開店直後など、混雑状況によってお待ちいただく可能性もありますので、時間に余裕を持ってお越しいただけますと助かります。状況を判断し、整理券対応も検討しております。また、店頭での着用サンプルのご用意はM、L、XLがありますが、XLのみ完品でなくトワルでのフィッティングとなります。お支払いは前金 ( 上代の半額 ) or 全額、各種クレジット or 現金を選択可能です。お気をつけていらしてください。
②商品帖受注
12.21 Sun / 12:00 – 23:00
店頭受注の翌日の日曜12時スタート、同日23時に締め切ります。十分に受注枠を設けておりますが、生地切れの際は途中で受注終了となる可能性があります。お支払いはこちらも前金 ( 上代の半額 ) or 全額、クレジット or 銀行振込を選択可能です。月曜に発注をかけますので、銀行振込の方は12.22 ( Mon ) PM12:00までにご対応可能な方のみご選択ください。

25.12.19 Fri – 12.20 Sat / 12:00 – 17:00 @柿乃葉
25.12.21 Sun / 12:00 – 23:00 @柿乃葉商品帖
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Order Event
– Ex SAL2 Jacket –
Shell _ Linen100 ( Fabric by ensou. )
Lining _ Cotton
Sand Beige
M / L / XL
154.000 tax in ( 140.000 )
Delivery Date / April – September 2026
ensou.



