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Cash Silk – Smooth V Knit

 

 

 

 

 

 

2度にわたってオリジナルでSmooth Turtle Knitを作っているが、柿乃葉の隠れたヒット作である。前作は名だたるブランドを顧客にもつイタリアメーカーのカシミヤを使用した。買っていただいた方の着用率も異常に高く、受注会形式だったので、もう1色買っとけば良かったとの声が多く本当に作って良かった。今作を作るにあたっても力を貸してもらっているNikki ESSENTIAL PIECESのデザイナー浅川さんも好んで着てくれているそうだ。ハイゲージの部類ではあるが、ネックに沿い首を温めるというタートルという性格もあって、真冬でも十分な保温性だということがわかった。一方、薄着派で暑がりな僕にとっては、気温が下がり切るまでの間は、肩かけやマフラー代わりとして使うことも多かった。日課のサウナのせいで代謝が良いのもあるだろうが、常食のベトナミーを食べていると汗が吹き出る始末(苦笑)。同じような肌に近い使い方が出来て、しっかり寒い日はカシミヤタートル、日中気温が上がる日はこっちという具合に、選択肢があると尚良いと思った。最近、シャツの下にVニットを着ることがさらに増えた。適度に肌の露出があって、シャツの下に着た時のシャープさと抜け感が良いのだ。kakinohaオリジナルとして“シャツの内側に着るVニット”を作るチャンスが訪れた。かと言って今回作るものは、ぴたっとなるインナー専用でなく、1枚で着る時こそかっこつくものにしなくてはならない。すぐに浅川さんに相談。素材はもう決まっていた。タートルを作る時にも候補に上がっていた素材であり、同じイタリアのサプライヤーが作っているカシミヤ70シルク30。稚拙な表現だが、抜群に気持ちいい。色出しも繊細で、ここんちしか出せないニュアンスカラーが揃い、各メゾンでは同素材のハイゲージニットで30万、40万といった具合だ。これに勝てるものはそうそう無いと思う。

 

 

 

 


まず、肝となるVの見え方をどうするか。Vニットはここの顔作りで8割がキマる。僕は浅すぎるVを着るくらいなら、クルーを着たい派。Vはやっぱり抜け感があって、大人っぽいから好きだ。かと言って、深すぎると色っぽくなるし、首元のレイヤーが難しくなって着る頻度が落ちてくる。天幅もかなり重要だ。狭すぎるとシャツなどを羽織った時に首元の抜け感が損なわれるし、広いと同じく中に着るカットソー問題に困る。1枚で着る時、上に重ねる時のどちらも考慮し、美しく見えて、心地良くて大人っぽい最適な“下がり”と“天幅”のバランスを慎重に探っていった。これまでの浅川さんの経験にも助けられて、ミリ単位で試作と修正を重ねて、完成度の高い“Vの造形”が作れたと思う。Vの中には何を着るか。僕は今は素肌っぽく着たい気分なので、深めのタンクトップかUネックのカットソーを合わせる。気分を変えたかったりカジュアルに着たい日は白T(リブは細い方がきれい)をレイヤーしても良いし、BLACKBIRDのメッシュタンクも新鮮な見え方をする。シャツに合わせた時の見え方も、満足いく仕上がりになった。

 

 

 

 


ディテール解説。Vの開きの考えは先述の通り。Smooth Turtleをベースに作っていくが、着丈は同一、シルエットはさらにリラクシーに。リブとカフはきゅっと締め、腰も袖もだるっと溜まるような設計。腰位置を好きなところで止められるので、身長や体型問わず、幅広く方にマッチする。ハイゲージでドレープもあるので、かなりジャストなシャツの下でない限り、着にくさは無いはずだ。肩線の後ろ側に回り込む“肩べらし”をフロント側にも配し、さらに肩の先端部分にタックを入れ、ラインを引くことでラグランとセットインが同居したような唯一無二な見え方に。各リブの付け根の5本ガーターも継承。Vでシャープに見える分、袖先は“Vスリット”ではなく、くるくるの“ロール仕様”でよりラフにした。いつだってカフレイヤーが楽しい。

 

 

 

 


内モンゴル・アラシャン地方のカシミヤ山羊の原毛に、最高級シルクをブレンドし、イタリアの高度な技術で混紡、紡績したこの素材。Smooth Turtle Knitのカシミヤと同一の肉感、天竺で編み立てた。今作のカシミヤ70シルク30は、カシミヤのふわっとした質感、保温性に、シルクのさらさら感、ドレープ、艶が最大限に引き出された、世界に認められる最高峰の品質と断言できる。カシミヤ100に比べるとやや保温性は劣るが、その分、秋から春にかけて長期のパートナーとなり、特に関東以南に住む方にとっては、より実用性も高くなる。毛玉が出来にくいことも特徴のひとつ。

 

 

 

 


4色展開。まずはIvory。くすんだ白、生成り方向ではあるが、ややグレイッシュなアイボリーです。1枚で着てピュアな出立ち。それはそれで秀逸ではあるが、この色は間違いなくレイヤーで大重宝。シャツ好き必須。強色、柄関係なく様々なシャツが僕の制服と言う方は、持っておいてください。MAATEEのシルクVやムコVと同じ立ち位置。夏のリネンでもカディでもどんなシャツにでも、暖かく寄り添います。ちょいっとIvoryが覗くだけで、清潔感も抜け感も出る。ネガティブな点を言えば、コーヒー好き、ワイン好きは気をつけましょう。カシミヤの持つ油分があるので、白のコットンニットほど色は入りにくですが、やってしまった日はすぐにクリーニングへ。

 

 

 

 

 
薄ブルーのAqua。タートルのLight Blueと比較すると、より青み、グレーみがあります。当初、Aqua Grayという名前で動いてましたが、グレーを強く連想させてしまうのも違うかと思い、Aquaとしました。ネイビーより華やかな印象で、差し色の要素も十分果たすのに、暖色や寒色問わず合わせられる色が多いので、使い勝手にも優れるこの色。チャコールの差し色にしたり、デニムやシャンブレーと馴染ませるように合わせるのが好き。ライトブルーのシャツと同様、ライトブルーのニットは美しい。男のライトブルーは歳を重ねて白髪が見えてきてこそ、品良く映ります。

 

 

 

 


素敵な響きになりました、Flamingo。僕のイチ推し、最近なんだかとても気になっている色です。ピンクの服は“照れ”があるという方は多いと思うけど、このFlamingoはスモーキーピンクと言ったらいいのか、ベージュ混じりの柔らかなピンクで、案外着てみたら「え、いいじゃん、俺」となるはず。色々な方のデビューピンクはこちらから。ベージュや茶系、グレーなどにも抜群の相性。ファッションは新しい自分探し。大人の方に着てもらいたいな。これを着た瞬間、春がやってきます。

 

 

 

 


そして最後にSumikuro。タートルでこの色はイメージつかず、Vだから着たいと思った。今作では唯一のメランジタッチで、ダークグレーに白い毛がちらつく奥行き感。ソリッドでは無いのでカジュアルに着れて、でも素材はしっかりラグジュアリーといったナイスバランス。これは苦手という方は少ないと思います。色ものに合わせても良いと思うけど、僕はダークトーンでまとめるのが好き。真っ黒に合わせても重々しくならないことも、メランジなSumikuroの良さ。今作で唯一可愛さのない色です。

 

 

 

 

良い色が揃った。4色あると迷ってしまうと思う。僕もまだ迷っています。汎用性を重要視するべきか、春に向けてファッションの熱を一気に上げていくべきか。タートルの際も多色買いの方が多かったですが、これも余裕がある方は大人買いがおすすめ。1枚でスタートして、シャツを羽織って、その上にアウターを羽織って、そして暖かくなったらまた1枚に戻る。気温と相談して、自分の好きなバランスで肌の近くで着る服です。ケアに関して。ニットで洗えないものは基本無く、慣れている方は洗濯していいと思いますが、クリーニングが無難。僕はクリーニングでスタートしても、結局どのタイミングからか自分で洗います。乾かす時は平干しが良いと思います。洗濯は自己責任で。着て、洗って、極上感が増していきます。サイズに関して。8で着丈67、身幅60、肩幅50、袖丈64。9で着丈69、身幅63、肩幅52、袖丈65です。先述の通り、Smooth Turtleとの比較として着丈は同一、身幅や肩幅はより緩めな設計。腰位置を動かせるこの特徴的なパターンだと、小柄な方も8で問題ないです。袖に溜まる分の裄丈もあるので、高身長で手の長い方も9で着れてしまいます。僕も8でも9でも違和感なく着れます。受注会形式にしたかったのですが、準備期間と納期の関係で一般発売のみとなりました。寒波も落ち着いてきて、すぐ着れそうですね。金土に店を開けます。在庫がありましたら日曜の正午、商品帖に更新します。

 

 

 

 

 

 

 

26.2.13 Fri – 2.14 Sat / 12:00 – 17:00 @柿乃葉
26.2.15 Sun / 12:00- @柿乃葉商品帖

Ex Smooth V Knit
Cashmere70 Silk30 ( Italy )
Ivory / Aqua / Flamingo / Sumikuro
8 / 9
74.800 tax in ( 68.000 )
kakinoha