2026.05.21
H WOOL 2026 – US & UK Modern check

日本の夏は、もうとんでもないところまできている。真夏に長袖を諦めかけそうな過酷な暑さの中でも、絶対的な信頼を置いて着続けられる素材がある。それが、松村さんと3年に渡って作り続けてきたH WOOLだ。圧倒的な軽さ、冷涼感、そしてドライタッチ。H WOOLのベースとなる超細番手の強撚ウールは細すぎて織機にかからないため、水溶性ビニロンを巻いて太くしてから織り上げ、後にそれを溶かすという気の遠くなるような特殊プロセスを経て生まれる。これにより着ていないような感覚をもたらし、さらにバッグに丸めて放り込んでもシワになりにくく、洗濯も出来てしまう。ネガティブ要素がまるで見当たらない、非の打ち所のない極上素材である。4度目の夏を迎える今作は、過去のフリンジシャツや折って折ってシャツJKTなどの濃厚な文脈を経て、型から全てを製作した完全なオリジナルピースとなった。柄に関してもインラインにはないものを1から組み上げ、アメカジとブリティッシュトラッドの象徴である“バッファローチェック”と“ブラックウォッチ”をテーマに据えながら、今の気分に寄り添うように現代的な解釈でモダンに表現した。今回オリジナルで作った型は、紐ジャケットとワイドイージーパンツの2型だ。紐ジャケットに関しては、そもそも真夏にジャケットを着たって、暑くてフロントのボタンなんてどうせ留めやしないというリアリティから出発している。それならいっそボタンを無くしてしまい、細い共生地の紐を結ばずにだらっとぶら下げて羽織っている佇まいの方が、よっぽど軽快で可愛いんじゃないかという閃きをそのまま形にした。そしてイージーパンツは、とにかく過酷な暑い時期にノンストレスで涼しく、リラックスして過ごせるものを求めた結果、しっかりと肌から離れるような太さを持たせた。ここ最近の気分を反映させ、イージーパンツ定番のテーパードではなく、裾幅を広くドカンと持たせたワイドストレートに仕上げている。生地が風をはらんでエレガントに揺れ動き、真夏に涼しくノンストレスで履けるロンパンを目指した。

今回1から織り上げた2つのオリジナル柄は、伝統的なチェックを柿乃葉らしい視点でひねったアプローチとした。まずUSチェックをベースにした“Mini Buffalo Check”は、アメカジの定番である男らしいバッファローチェックが着想源だ。一般的には5cm角ほどの大きな格子でラフな印象が強いが、土臭さ、大味感に振りすぎないよう、あえて3cm角ほどの小ぶりな格子にスイッチすることでモダンな顔立ちに仕上げた。白とグレーの2色のみでストイックに構成されたこの生地は、透け感も醍醐味であり、インに着るものが品よくシアーに透ける涼しげな印象を楽しんでもらえる。もう一方のUKチェックをベースにした“New Black Watch”は、本来の伝統的なネイビー、グリーン、ブラックによる配色だとどうしてもトラッド感が強く、直球すぎて新鮮さに欠ける。今回はタータンの並びは維持しながらネイビーとグリーンを排除し、ブラックとブラウンの2色のみに絞り込むことで、極めて現代的で匿名性のあるシックなチェックへと昇華させた。暗がりや室内では一見するとソリッドな黒無地のように見えるが、外に出て自然光が当たった瞬間に、その奥からうっすらと茶のトーンと繊細なチェック模様が浮かび上がってくるような、奥行き感のある仕上がりを目指している。

紐ジャケットは、仕立てや仕様に関してはとにかく真夏の軽さを最優先し、シャツと同等のテンションでバサッと羽織れるよう設計している。無双仕立てにするとよりジャケットらしい顔になるのだが、今作は涼しさ全開で一重の仕立てとした。さらにジャケット特有の身返しすらも完全に省く徹底した引き算を行っている。ラペルや前立て、裾などのすべてのエッジ部分の処理は、内側に綺麗に巻き込むのではなく、あえて外側に1つだけ折り返してそのままステッチをかけ、端を裁ち切りにした非常にラフでアルチザンな仕様を踏襲した。フロントに配された華奢な共生地の紐は、真夏でなければきゅっと結んで締めても良いのだが、暑くなれば結ばずにラフにだらっと垂らしたまま風をはらませるイメージで着てほしい。一見チャイナジャケットの持つオリエンタルな空気感と、ワークウェアであるカバーオールが持つ土臭さが絶妙に混ざり合ったような、気怠くも小粋なバランスに着地できたと思う。これだけ各部の仕様を引き算して軽く仕上げていながら、フロントのパッチポケットの留め部分には、職人の丁寧な手仕事による“グリカン”が打ち込まれており、その小さな手の温もりが服全体のクオリティと佇まいをさらに美しく引き締めている。

ボトムスとして用意したワイドイージーパンツは、とにかく楽チンで涼しいこと、そしてファッション的な見え方を求めて製作した。日本の過酷な盛夏を乗り切るために、肌に生地がまとわりつかず離れるような、ゆとりある太いシルエットに仕立てている。裾に向かって収まりが良くなるテーパードではなく、裾までドカンと広い迫力のあるストレートにしており、歩くたびに極薄ウールのしなやかなドレープがエレガントに揺れ動く様が美しい。ウエストは太めのゴムと共生地の紐を仕込んだイージーなコンビネーション仕様としており、実寸のサイズからさらに10cmほど伸ばせる圧倒的なリラクシングさを持つ一方、痩せ型の方であれば紐をギュッと絞ればいくらでも小さく調節ができる、あらゆる体型を受け入れる懐の深い仕様だ。総丈は高身長な方であってもレングスが足りなくなる心配がないよう、今作はあえて長めに設定してある。また裾の仕様はフラットなタタキ仕立てにしてあるため、ご自身のバランスに合わせて普通に裾上げをして穿いてもらいたい。股上が深くハイウエストで履くのもおすすめ。また、真夏のリアリティを追求して涼しさを最優先したため、暑さの籠る原因になる裏地はあえて完全に省いた仕様とした。そのため薄色だとどうしても透けが出てしまうこともあり、ワイドイージーの方はダークトーンの“New Black Watch”のみの潔い1色展開とした。

スタイリングに関して“Mini Buffalo Check”の紐ジャケットは万能で、手持ちのワードローブにも合うものが多いはずだ。インナーに白のタンクトップや霜降グレーのTシャツなどを差し込み、全身を薄い色味でまとめあげると、シアーなウールチェックの美しい透け感がより引き立ち、夏場であってもクリーンで大人っぽく着こなすことができる。“New Black Watch”も汎用性は高く、やはり同素材のワイドイージーと合わせたセットアップでの佇まいは抜群に雰囲気が出る。インナーまでシンプルに黒で統一してストイックにまとめるのも良いし、リネンの白シャツを羽織ってモダンなモノトーンスタイルを気取るのも良い。またチェックの濃度が薄いので、柄シャツやストライプシャツなんかと合わせるのも良かった。ジャケットのサイズは2で着丈77、身幅63、肩幅55、袖丈60。3で着丈79、身幅65、肩幅56、袖丈61。ガバッとゆったり羽織れるサイズバランスで、僕(177 / 67)はサイズ3を着用。2でも着られないことはないが、この涼しげなボリューム感を味わうなら3がベストだ。パンツのサイズは1で胴囲80、股上35、股下76.5、総丈106.5、裾幅26.5。2で胴囲83、股上36、股下79、総丈109.5、裾幅27。3で胴囲86、股上36、股下80、総丈111、裾幅27.5。ウエストがゴムと紐で許容度が広いため僕はどのサイズでも穿けたが、好みのワイドシルエットのバランスを取るならサイズ2がベスト、3で絞り上げても良かった。僕の場合、3なら裾上げは必須、着用画像ではサイズ2を選んでいる。今週も金土に店頭発売、在庫が残れば日曜正午に商品帖へ更新します。予約などは受けていませんので、店頭にいらっしゃる方が優先です、例年、かなりの人気をいただいており過去の展開では長い並びが出て長時間の入店待ちとなっていたため、今週末は状況に応じて、並びが多い時間帯は整理券を配布して対応させていただく予定でいます。ご来店の方は、お時間に余裕を持っていらしてください。また、今回も転売と思われる方にはお売り出来ませんので、よろしくお願いいたします。

26.5.22 Fri – 5.23 Sat / 12:00 – 17:00 @柿乃葉
26.5.24 Sun / 12:00 – @柿乃葉商品帖
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Ex “Himo” Jacket
H Wool
Mini Buffalo Check / New Black Watch
2 / 3
82.500 tax in ( 75.000 )
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Ex Wide Easy
H Wool
New Black Watch
1 / 2 / 3
72.600 tax in ( 66.000 )
MAATEE&SONS



