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“ドS” Moleskin – “Otte Otte” Shirt Jacket

 

 

 

 

 

 

MAATEE & SONSが仕掛けた”ドSモールスキン”が面白い。展示会で初めてその生地に触れた際「これがモールスキン?」と笑ってしまった。モールスキンとは、本来タテに細い糸、ヨコに太い糸を高密度に打ち込んだ繻子織りの生地。これにより、ヨコ糸が表面にたっぷりと浮く組織になる。一般的にはコットンを高密度で厚手に織り上げられ、タフで保温性もあることから古くはヨーロッパ、フランスの炭鉱労働者にも重宝されてきた。その歴史的なワーク組織を用いながら、松村さんが目指したのは「世界で1番儚く、薄いモールスキン」を謳ったものだった。生地を触ってみると、確かに軽い毛羽立ち、光沢感、ヌルっとしたなめらかさ、そしてヨコ糸の走りなど、モールスキンの“それ”がこの“ドSモールスキン”にもしっかり存在している。インラインのプルオーバーシャツのBasilを個人買いしながら、この生地でシャツジャケットを作りたいという衝動に駆られた。この素材は夏だけのものでなく、肌寒くなったら中にニットを仕込んでも相性が良いはず。だってモールスキンだから。柿乃葉でも何度か提案してきた“折って折ってシャツジャケット”に乗せて仕上げてもらった。生地の重なりを減らすために身返しを作らず、エッジを全て「折って折って」した後に、ダーッと数本のステッチを走らせていくという職人技の極み。質量はシャツと変わらない。“ドSモールスキン”の圧倒的な質感と軽さを最大限に引き出すため、この構造を採用した。モールスキンの概念を根底から覆しており、これこそ“素材好き”に届けたい1着だ。

 

 

 

 


最初の驚きは、“リネンのモールスキン”であるという点だった。通常、モールスキンはコットン100が殆ど。1930、40年代頃の古いフレンチワークには稀にリネン混モールスキンが存在し、レアで古着市場でも人気が高い。今回、松村さんが追求したのは、単なるヴィンテージの再現ではなく、その系譜を現代的に昇華させることだった。リネン特有の気取らない粗野感や光沢と、モールスキンが持つ強固な高密度組織。この2つを掛け合わせ、超極細のリネンを選択しながら独自のレシピを用いることで、新しいモールスキンの質感が生まれている。ゆるっとヌルっとしており、光沢も備え、それでいて異次元に薄く、強さも持ったこの生地。これまでに触ったことのない、新しいものだった。夏の定番であるH WOOLと比べると逆ベクトルの雰囲気とこなれ感がこの素材の魅力であり、涼しさだけではやや劣るかもしれないが、それでも十分に暑い季節に快適に着用できるだろう。色展開は2色。まずはインラインのパレッドから、最もお気に入りのBASILを選んだ。バジルを実際に使用した天然染料ベースでオーバーダイを施している。くすみのあるナチュラルな色出しで、気取らないこの雰囲気は、気分関係なく永遠に好きでいられる色。ただ、それだけでは柿乃葉として少し物足りないし、このジャケットに組み合わせると天然酵母系に寄りがちなので、スパイスを加えることにした。頭に閃いたのは、イタリア料理。バジルはイタリアでは欠かせないハーブだ。僕もパスタをよく作るので、ベランダで育てている。右袖と右ポケットのステッチにはレッドを、その対となる左側にはグリーンのステッチを走らせた。赤白緑の“イタリア国旗”でバジルは遊んでみた。

 

 

 

 


もう1色は、今季のMAATEE & SONSのアムンゼンで採用されていた色が綺麗で、同じレシピで染めてもらったもの。色名は“くすんだパープル”。これも実は天然染料ベースで、ブルーベリーを主原料としたもので染めている。僕にとってモールスキンという素材はフランスを象徴するものであり、それならばフレンチワークなブルーは絶対に作るべきだと考えた。結果として、このくすんだパープルと深くリンクしたのだ。その色味は、ネイビーパープルからフェードしていったような、色抜けしたビンテージモールスキンのようなニュアンスを持っている。サックスと言えばサックス、ブルーと言えばブルーだが、やはり赤みがあるので品格も備わっている。オーバーダイの過程で「折って折って」のステッチ部分に染料が入りきらず、結果的にエッジにアタリが出ているような雰囲気がなんとも渋い。ボタンは両色共に、色や柄に個体差の大きないつものシェルの裏使いを採用した。

 

 

 

 

 

 

 

 

スタイリングについてだが、“Basil”は何も迷うことがないほど何にでも合うだろう。イタリアンステッチも主張が強すぎないため、ワントーンでボトムスを生成り、ベージュ、ライトグレーなどでまとめると、爽やかおじさん的に仕上がって適度な品が出せる。ステッチ色を拾って、赤系やグリーン系を差し込んでいくのも楽しい。“くすんだパープル”はやっぱりインディゴデニムやブルー系のグラデーションで爽やかにまとめたくなる。内側に英国チェックのシャツなんて入れるとトラッドな雰囲気にもなるだろうし、白系のボトムスにもよく合う。素材的にはリネン特有のこなれ感が魅力なので、対となるドレス要素との相性は抜群。どちらもドレトラやドレスフレアとの組み合わせは鉄板だと思う。3サイズ作りました。2で着丈76、身幅61、肩幅52、袖丈61。3で着丈78、身幅63、肩幅54、袖丈63。4で着丈80、身幅65、肩幅56、袖丈65です。僕(177 / 67)はサイズ3を着用。基本はゆったりしたパターンだが、袖を折り返して4も有りでした。ジャストでもこなれるし、ショーツ派の方はあえてサイズ上げてもバランス良いですね。今週はイレギュラーで金曜日だけの営業とし、在庫が残れば日曜日に商品帖へ在庫を移します。今季のH WOOLにおいて転売の疑いがあり、MAATEE側も気にしている状況。それもあり、今回はお1人様1点のみの購入とさせていただきます。他の商品と同様、事前通販や取り置きなどは不可。もし金曜に並びがあるようであれば11時前と11時半前後、オープン時に分けて整理券を配布する予定です。作り手の情熱と創造力に共感し、本当に大切にしていただける方に届けば嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

 

26.7.3 Fri / 12:00 – 17:00 @柿乃葉
26.7.5 Sun / 12:00 – @柿乃葉商品帖

Ex “Otte Otte” Shirt Jacket
Linen – ドS Moleskin
Basil / くすんだPurple
2 / 3 / 4
99.000 tax in ( 90.000 )
MAATEE&SONS