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富井貴志ファン

富井貴志さんより白漆のリム皿が届きました。数年前に長岡のご自宅に伺った際に、リビングの窓際にこの白漆の皿がずらっと並んでいて。「これって、何をしてるんですか…」と聞くとまさかのまさか、太陽の光に当てて色出しをするのだと。こんなにグレイッシュでモダンな表情をしているのに、最後は自然の力を借りて仕上げると知って一気に見る角度が変わりました。

 

 

今では富井さんと言えばこの白漆作品がすっと頭に浮かびますが、原子配列の作品などこの方の作るものには筋の通った哲学が垣間見えて面白いんです。工藝であり、アーティストでもある。柿乃葉のお会計の時に使うトレーも特注で作ってもらいました。しかも黒柿という憎すぎるチョイスで。かなりかっこいいので、店舗にいらっしゃった方は見ていただいたいです。と言うか、また素材が見つかったら作ってもらって紹介しますので。そうです。自分は完全なる富井貴志ファンです。

 

 

富井さんの木工作品における考えの一つに“使って伸びしろのあるもの”とあります。バキッと完成度が高すぎると敷居が高くなり、使い手との距離が離れてしまう。少し完成度を下げていった時に、素材、作り手、使い手の3つのバランスが均衡になる。結果、使用の頻度が上がり、使うことでものがさらに深みを増していくことが究極の姿だと。この白漆も使い込んでいくとナイフやフォークの傷がついて、鈍い光沢が出たりとアンティークのように育ちます。素材に使用しているホオノキは軽いので、スタックも容易で女性にも扱いやすいですよ。大きい方がΦ270で税抜15000円。Φ240で13000円です。パスタ、サラダ、メインにフル回転で使えます。

 

 

栗のバスケットも入荷しています。こちらは税抜28000円。栗の木の塊から削り出し、仕上げのノミの跡が美しい。ずしっと重量感があり、木の強さも感じられる作品。白漆より前から作っているこういったプリミティブな作品も凄く良いんですよね。サイズは330×140と適度に大きさもあるのでカンパーニュやバゲット、サンドイッチを盛って朝食時の主役にしたり、アクセサリーやアイウェアなどのお気に入り達の小物入れにしたり。アイデア次第で色々な使い方が出来ます。自分はハード系のパンが好きなので前者派です。