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栗のトレイ

久々の開店は、新潟長岡の富井貴志さんの手彫りの栗シリーズから。富井さんには冬にここ柿乃葉にも来てもらって買い物もしてもらって。作家さんに服を選んでもらうことがたまにあるんですが、特別な気持ちになります。作り手は物を見る目に厳しいわけですから。そして、待ちわびた大好きな作品が8ヶ月ぶりの入荷です。前回のバスケットに続き、今回はさらに使い勝手の良い栗のトレイ。木が動かないよう数ヶ月寝かせた栗の塊を粗取りし、少しづつノミでくり出して成形します。仕上げには灰と蜜蝋ワックス。使い始めは料理の油分で染みがつくこともありますが、次第に目立たなくなりさらに深く飴色に変化していきます。

 

 

公式な名称はついていません。形を言うなら正方、長方、楕円の3種類。少しまとまって入ったので、数があるうちはノミ跡、木目や木肌、色の違いを楽しんで選んでください。僕は直感型で割と選ぶのが早いのですが、早速買い足しました。

 

 

使ったらスポンジとぬるま湯でさっと洗い流して乾かすだけ。油を多く使った時は中性洗剤で洗えば良いし、しいて面倒なことを挙げるとすれば、たまにくるみ油を入れて保湿させるくらい。僕はこの手入れをする作業が好き。服も靴もうつわも同じ。人の手や温度感を伝えてくれるものに心が動き、それを育てていくことが何より楽しいのです。今週末の発売。素晴らしい作品です。手に取って見ていただきたいと思います。

 

 

21.6.12 – Sat

栗のトレイ
25-260-270 (正方) / 24.200 yen
18-205-300 (長方) / 24.200 yen
25-291-317 (楕円) / 26.400 yen
富井 貴志