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The Crooked TailorのM-59がすごい

さて、また新しいブランドのご紹介です。The Crooked Tailorの中村さんとも1通のメールから繋がりました。コレクションを見せてもらった時に初めて会ったのですが、物腰低く小柄な体からは想像もできない、大木のような人でした。長野に移住した今もブランドの運営は自身のみで行っており、一部の商品は敷地内にあるアトリエで自らデザイン、型紙、カッティング、仕立てまで行っているそう。もちろん全てのオーダー内容をチクチクと1人で仕立てるなんてのは途方もないことで不可能らしく、外注は当然使うのですが、彼の考える物作りがあまりに緻密で求めるバーも高く、納得の上がりになる外注先は数少ないとのこと。さきほど一部は全て自らとありますが、例えばパンツはどこに出しても満足のいく上がりにならないらしく、1から10まで自分でやるしかないと仰ってました。あとはこの生産体制だと取り扱い店舗を増やせないらしく絞り込んでいて、全国で10もないそうです。「オーダーいただいても全量作れないことが多々あって。そうなったらすみません」とも言われてましたからね。入荷して良かったです。ブランド名でもある“ひねくれた仕立て屋”とはそういう意味ではないですが、実際に袖を通せば、普通のテーラーとは別ベクトルの”ひねくれ”が理解できると思います。

 

 

 

 

 

中村さんのこだわりに対抗して?僕の方も一球入魂な仕入れです。22AWコレクションでダントツに気に入ったこのコート、これはすごいです。所有欲満たされます。スウェーデン軍のM59のフィールドコートをベースにしたもので、当時のオリジナルは殆どがオリーブ(サックスぽい薄い青とかもある)だと思いますが、中村さん編集のこれはMidnight Blueと名付けられた青。この色がまた抜群に良い。ヨーロッパでMidnight Blueは最もフォーマルな色とされており、その名の通りもっと黒に近い濃紺を指したりすると思います。個人的な初見ではイギリスの青、ロイヤルブルーを感じます。ディテールなど見るとM-59から割と忠実です。オーバーコートらしいシルエットは据え置きつつドルマン気味になっていて、腰のドローコードをきつめに絞った時の急角度のAラインがかっこいい。生地はコットンに軽くピーチかかっていて、気持ちストレッチも入るのでとにかく着やすいです。そしてフレンチワークもので出てくるようなバラバラな色のボタン。オリジナルのM-59にはボアのライナーが付きますが、これも同じ構造でデザインされていて、ボタンで外と内を合体できるようになっています。このライナーがまた最高で両面着れますし、特にグレーのウール面を外に着た時のこなれ感が好きです。外装の違いで3パターンが成立しますし、これを単体で着るのか、ライナーと組み合わせるのかで、3シーズン着続けることができるわけです。ここでもジャストなGジャンはどの組み合わせとも好相性でした。ミリタリー由来でさらに製品洗いしたカジュアルなコートなので、ドレトラでバランス取りましょう。

 

 

 

 

サイズですが、46で身幅74、着丈102、肩幅57、袖丈56、48で身幅76、着丈104、肩幅58、袖丈58です。僕で着用は48で、46だと袖丈が気持ち足りないです。身幅はどのサイズ選んでも寸法だけ見ると大きな設定ですがドローコードで絞り込めばすんなり収まりますし、46か48かは裄丈で判断するのが良いと思います。かなりどうでも良い話ですが、大学時代ボクシング部で「長いリーチを生かして戦え」と先輩に言われてました。台風が過ぎ去って急に秋がやってきましたね。ライナーを外して、割と早く出番は回ってきそうですよ。今週も土曜日だけの営業となり、在庫が残れば日曜に商品帖にアップしますが、カート決済がNGなブランドです。遠方の方は、問い合わせからメールを往復させてもらってからのご対応となります。

 

 

 

 

22.9.24- Sat

Swedish Army Field Coat “M-59”
Main _ Cotton98 Polyurethane2
Lining _ Wool90 Nylon10 ( Gray ) × Cotton ( White )
Midnight Blue
46 / 48
283.800 tax in ( 258.000 )
The Crooked Tailor