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柿柄スウェット

 

兎に角、最近のボトムス事情はスラックスとデニムの2本柱である。その2つに限って言うとスラックス7割、デニム3割といったところで、そんな僕の足の一部となってしまったスラックスをどう崩してやろうかと、常に考えています。今年の夏は例年に比べて半袖に舞い戻った感があって、ちょっとゴチャついたTシャツの気分でした。それか、Vシルクに薄物の長袖シャツ。去年に比べるとアメリカ古着に袖を通す回数が増えて、特にChampionのランタグからトリコタグくらいのダサめのカレッジTeeをいくつか買い足して、トロのドレトラにインするのがセオリーです。この気分をそのまま秋へスライドしていくわけですが、その答えは過去のNICENESSのコレクションにありました。アメリカの50sの雪柄スウェットをモディファイしたPERRYです。

 

 

 

 

PERRYはNICENESSの20AWコレクションに発表されたスウェットで、仕入れ当時まだ柿乃葉は準備中。BLOOM&BRANCHで仕入れをしました。学生時代、US古着からファッションの楽しさに吸い込まれていった僕にとって、ビンテージの雪柄スウェットはレアで高価、簡単に手が出る代物ではなく、高嶺の花です。2020年にこれを現代的に料理したPERRYは、懐かしくも刺激的なアイテムなわけですが「スタッフより、お客様が先。入荷後すぐは買ってはいけない。」という通称 “1週間ルール” を自ら作ってしまったばっかりに、あっさりと完売して僕の手元にはやってこなかったのです。そこから3年の月日を経て、次はスタイリング手動でまたPERRYに目をつけることに。今、スラックスに合わせる上でこんなに気分なものは無い。雪柄モチーフなんて、誰も着てないでしょうし尚更。リリース当時はBIGサイズ黄金期であり、PERRYはバストが(Mでも)ぐるり130cmほどありました。今着るなら昔憧れたビンテージスウェットのように、ジャスト目で丈もやや短めで着たい。このスウェットの製法としてはビンテージと同じく脇下にシームのない丸胴での編み立てです。筒のまま編み立てるため、縫製時に身幅の調整が出来ないため今回はフリーサイズでいくことにしました。このひとつ上のサイズ作ろうとすると、身幅が3サイズくらい大きくなるんですよ。それは要らないなと。サイズFで着丈66、身幅58、肩幅55、袖丈61です。横は少しゆとりありますが、着丈がそこまで長く無いので僕(177/66)が着てジャストな印象を受けます。180cm超える方だと少し短く感じるかもしれませんが、ビンテージスウェットって基本もっと短いですからね。ちなみにこの生地は加工済みで洗っても縮みは出ません。

 

 

 

 

 

さらにプリントの絵型が unbelievable! です。ビンテージの雪柄を連想させながら、新しく手描きで作成された柿柄。目を凝らすと柿を連想させるモチーフと、NICENESS+kakinohaのイニシャル“nk”も点在しているんです。ナチュラルに馴染ませてあるので、凝視して探してみてください。これは僕からのアイデアではなく郷くんの考えであって、この心意気と期待の上をいく提案が本当に嬉しかったです。プリントの出方は、当時の染み込み感を狙ってインクジェットにしてもらい、さらに加工を入れてボカシとカスレを強めてもらっています。色はビンテージの定番色である水色( Blue )は絶対作りたくて、それとは別ベクトルのモダンに着れるBlackを作りました。着てみると全く違う印象ではあるのですが、どちらもドレトラには抜群ですね。一気に崩せます。ジャスト目なシルエットなので、例えばもっと太めのスラックスでもかっこいいはず。アウターの内側に差しても、切り替えとプリントが効いてきて違和感を出せますし、ぐるっとひっくり返して裏毛部分を外に着てやっても可愛いですよ。ビンテージモチーフの袖付けや脇リブも最高です。さて今週の金曜発売です。金土と営業して、日曜正午に商品帖に更新します。

 

 

 

 

 

 

23.8.25 Fri – 8.26 Sat
柿乃葉 / 12:00 – 17:00

Ex K.PERRY
Cotton88 Polyester12
Rib _ Cotton97 PU3
Blue / Black
F
41.800 tax in ( 38.000 )
NICENESS