手記 > 36色絣クローバーリーフJKT

36色絣クローバーリーフJKT

 

NICENESSが何とも奇怪な生地を作りました。そもそも絣糸とは生地を織る前に、1本の糸を複数色で染め分けしたもの。郷くんが絣職人の技術を駆使して作った今回の糸は、あらかじめランダムな間隔で6色に染め上げた絣糸を、6パターン作り、それらを撚り合わせて双糸にしたものです。これによってオリジナルの36色絣糸が完成し、それを織り上げることでこのツイード調の生地になります。立体的な膨らみ、柔らかさの中にしっかりとしたシャリ味もありますし、何よりこの多色による奥行きは美しく、美術、工芸と言ったワードが相応しい。色名としてはMixボルドーですが、深緑、黄緑、オレンジ、濃茶、薄茶、ベージュ、薄ピンク、生成り、山吹、ネイビー、ブルーグレーなど様々な色をはっきりと確認することができます。強さのある生地なのに、これだけの色が組み合わさっていると、ボトムスや中に着るニットのどんな色も拾ってくれるし、コーディネートは案外簡単じゃないかと多います。

 

 

 

 

 

HANAREでもこの生地を使ったフォレストビーチジャケット”ATOLL”を仕入れています。ATOLLの元ネタが伝わるデザインも好きで、レザーの切替えも贅沢でめちゃくちゃ雰囲気あります。が、丈と身幅のバランスなのか、僕には残念ながら似合ってくれなかったんですね。三浦くんは似合ってた。そうなると当然この美しい素材で、僕に合うものを作りたい。今季新作のイタリアンビスポークを応用したジャケット”K.ROLAND”は角を丸く削ったラペルがキュートで、タイトでもオーバーでもないオーセンティックなシルエットも僕にはしっくりきて、これに36色絣を乗せたいと懇願してできたのが”L.ROLAND”です。少し表面が粉を吹いた古着のベルベットのような鈍い光沢のボルドー総裏、そして決め手となったのがテーラード型なのに上までしっかり留めれること。この仕様があれば、チェックシャツとかシャンブレーからスタートして、最後は温かいカシミヤを内に仕込んで首元さえ温めれば、冬もしっかり活躍してくれるはずです。茶のウールの襟裏もクラシックで渋い。

 

 

 

 

細かいサイズはMで着丈74.5、身幅55、肩幅45、袖丈61.5、Lで着丈76.5、身幅57、肩幅47、袖丈62.5です。サイズ選びに関しては内側に何を着るかで変わってくると思います。僕の場合でLだと、ミドルゲージのニットくらいは簡単に着れ、ローゲージもいけそうな感じです。ちょっと袖がジャスト気味にはなりますが、中がシャツくらいの肉だとMでも良いですし、ちょっと迷います。Tシャツで着るような肉では無いので、やっぱりスタイリングによります。僕の場合、BLACKBIRDのムートンをどう着るかを考える秋冬になりそうですが、内でも外でもどちらも良かったですね。先述の通り、美しくも迫力のある生地で一見癖はあるように見えますが、案外合わせやすいんですよ。ドレトラのレインボーお持ちの方はこれまた相性良く、内側に古着のスウェットとか、タイトなデニムジャケットで崩すと良さそうです。今週も金土に店を開けます。サイズを迷われる方は、中がTシャツだと測定不能なので合わせたいニットなど、持ってきてもらうと確かかなと思います。在庫が残りましたら、日曜の正午に商品帖に在庫を移します。小生、夏が大好きではありますが、服のこと考えるとやっぱりワクワクしてきます。

 

 

 

 

 

23.9.1 Fri – 9.2 Sat
柿乃葉 / 12:00 – 17:00

Ex L.ROLAND
Wool66 Nylon19 Cotton15
Lining _ Acetate100
Mix Bordeaux
M / L
165.000 tax in ( 150.000 )
NICENESS