手記 > 鹿革のVILLE

鹿革のVILLE

 

昨年、予想以上の反響だった“VILLE”。商品帖に上げた瞬間にSold。個人的にも春にかけて頻繁に着ることになったわけですが、強めにアップデートする形で“VILLE 2”を企画しました。昨年は通称“カシミヤレザー”を使用してさらさらとしたスムースな表情でしたが、今季はさらにグレードを上げてディアのグローブレザーです。ニュージーランド原産の鹿革、鞣しは日本。グローブレザーと言えど、吸い付くような極上タッチはキープしながら、実際のグローブのように漉きすぎることなく適度な厚みを持たせているので、もっちり感があります。ディアレザーは元々革自体に油分が多く含んでいて雨にも強く、人肌のように柔らかくて柔軟性も高い。素直な革質と言ったらいいでしょうか、より着る人の体に馴染みやすいです。で、今季は色は黒にしました。ここは少し迷いました。色ものとコーディネートをすることを優先すると、茶の方が幅広いのは間違いないので。僕個人として一昨年からのベージュ、茶ベースの着こなしは今現在も健在ですが、これのオーダー当時、少し“男っぽいもの”への気分の返り咲きがあったんですよね。オーダーしてから半年後に到着となるので、その頃の自分の気分を予想して黒に。色もので言うと黒は、オレンジとか赤とか、パツッと強い色に合わせるには調子良く、逆にライムとか薄いイエローとかは茶の方が合いますよね。

 

 

 

 

黒に決めたら、可愛い要素いらない。ミニマルにしたい。NICENESS+kakinohaの“NK”のワッペンを残すだけにして、その他は全て削ぎ落としました。ポケットもパッチから片玉へ。狙ってはいないものの、結果的にシングルライダース寄りな見え方に近づいたと思います。裏地は「チェックとかストライプでない、柄物の面白いもの」と希望を出すと、マニアックな生地をかき集めてくれました。期待以上の面白いものがいくつも届いて、NICENESSの仕事は本当に信頼が置けます。選んだ裏地はキュプラレーヨンのハンドドローイングプリント。筆の跡が見えるハンドドローイングが格子状に分断されて、また組み合わさったという感じ。ハイインパクト。レザーを脱いだ時に見える景色も堪りません。

 

 

 

 

サイズ感に関しても、見直しました。去年、僕も去年のVILLEを買ったんですが、もっと体に沿っても良いんじゃないかと。着丈とか袖丈はほぼステイして、身幅と肩幅、アームホールに調整を入れます。レイヤーをする上では、レザーの中に肉のあるニットを着ると言う考えからは少し遠ざけて、リーバイスのGジャンのようにこの上にもより簡単に着れるようにする。僕達世代が憧れてきたレザーにTシャツといった、男っぽく着れるバランスの方に近づけました。とは言え、昔のレザーはもっともっとタイトですけどね。柔らかく馴染みの良いディアレザーなので、着込んで腕におもいっきりシワを入れながら育ててください。サイズはMで着丈63、身幅55、肩幅50、袖丈58、Lで着丈64.5、身幅57、肩幅52、袖丈59です。去年のMが、今年のLとほぼ同一です。MAATEEのカシミヤシルクボートくらいなら普通に着れましたね。トップスがよりジャストなので、ワイドパンツもかなり相性が良くなったと思います。ドレトラ、VOLTON、m’sタックバギー。色々試してみてください。今週も金土と営業します。在庫がありましたら日曜の正午に商品帖を更新します。

 

 

 

 

23.9.29 Fri – 9.30 Sat
柿乃葉 / 12:00 – 17:00

Ex VILLE 2
Deer Leather
Lining – Cupro55 Rayon45 / Sleeve Lining – Cupro
Black
M / L
220.000 tax in ( 200.000 )