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カシミヤJEFFELY

 

今季、ドレトラは良い生地が見つからなかったのでスキップした。ディテールこそ違うが、それとほど近いものを感じたのがMAATEEの新型であるJEFFELY。展示会でハンギングされている状態でもう自分好みだと分かったが、履いたら案の定良かった。ドレトラも無いことだし、JEFFELYで冬の最高のグレースラックスを作る。夏も冬もグレーが基本だ。何にでも合わせられるデニム的な役割のトラウザー。それならばライトからミディアムグレーくらいのカジュアルなグレーの方が、色拾いも含めてスタイリングの幅は大きく広がってくるし、重たくもならない。

 

 

 

 

 

中途半端はいらない。この1本でもう冬のグレースラックスは10年買わなくて良いと思えるくらいの、最高の相棒を作る。松村さんにカシミヤ探しをお願いした。最終的に決めたのが、それこそライトとミディアムグレーの間くらいのモンゴル産カシミヤのメランジ。糸にする前のふわふわの状態で、いくつかの濃度のグレーに染めて、最後にそれらをドッキングして糸にする。これが所謂TOPで、一般的にはカジュアルな見え方になるが、このカシミヤは毛足を少し起こしてファサファサさせているから、めちゃくちゃ品が良い。お高い冬ジャケットくらいも作れる中肉の生地。今年は異常な暑さだけど、例年なら11月から3月にかけて真冬もしっかり仕事する。見た目と裏腹なスウェットパンツを履いてるかのような、柔らかで楽ちんな履き心地。

 

 

 

 

JEFFERYは手の仕事含めてディテール満載で、細部を見渡すと「何だこれ?」が散らばっている。特に気になったのがベルトループ周辺。まず、ドレスベルト専用とばかりにベルト幅が小さい。カジュアルな太幅ベルトはそもそも入らない。ま、(保険の?)サイドアジャスターも付いているから、“絞る”という機能面ではあまり関係ない。そして上下流し込みのベルトループ、中でもバック中央のベルトループは他より1cmくらい低い位置に付けられている。ほほう、ベルトを通した時に少しヒップが上がって、スタイルが良く見せる効果を狙っているんだ。そう思って、松村さんに聞いたらそんなことじゃないらしい。「チグハグさせたかっただけ」と。服作りのハズし?松村さんは新たな領域まで来てる。ジェフリーの蘊蓄はMAATEEのインスタを見てください。

 

 

 

 

ジャストに履いても良いし、サイズアップで絞っても良いし、今回3サイズ用意しました。1で総丈105、胴囲39、股上33、股下74、ワタリ35、裾幅25.5、2で総丈106.5、胴囲41、股上33.5、股下75、ワタリ36、裾幅26、3で総丈109、胴囲43、股上34、股下77、ワタリ37、裾幅26.5。ドレトラを持っている方はその7、8、9という感じ。僕はドレトラ8なので、2がちょうど良い。裾は気持ち長め。ヒップはコンパクトなので、腰が張っている方、スポーツ尻の方はサイズアップで裾上げが良さそう。フラシじゃないので、足長さんは勿論ここから伸ばすこともできる。スタイリングはモノトーンでクールぶるのも良いが、どうやっても品があるから、オレンジとか色物のおもいっきりカジュアルなアウターに馴染ませたり、また気になってきたやや明るめのグレーワントーン。綺麗なテーラードに合わせるより、男っぽいレザーとかムートンの方が良い。とは言え、とにかく古着のスウェットでもミリタリーコートでも何にでも合うし、僕的にはこれ以上に無いものが出来た。来年も再来年もその先も、紅葉の頃にはこれを履くのが楽しみになりそう。今週は金土の営業。在庫があれば日曜正午に商品帖アップです。

 

 

 

 

 

23.11.10 Fri – 11.11 Sat
柿乃葉 / 12:00 – 17:00

Ex JEFFERY “Melange Cashmere”
Cashmere
Lining – Polyester
Light Gray Top
1 / 2 / 3
110.000 tax in ( 100.000 )
MAATEE&SONS