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Hand St Leather Jacket

各ブランドからレザーJKTがリリースされていて、選択肢も豊富にある中、柿乃葉では先人達の教えのようにレザーJKTはジャストの提案がしたい。NICENESSと一緒に作らせてもらっているVILLEとも同じ考え方だが、体に合ったサイズを着て、アウターの内側に挟んで快適に着れるものが良い。ある程度ジャストなテーラードJKTの下にも着れるなら、これから向こう何シーズンもより重宝するはずだ。今回はMAATEEと組んでGジャン型のスエードJKTに着手した。このゾーンはある程度古着を通ってきた方なら、すぐにリーバイスの3rd型スエードを思い浮かべてしまうと思う。1960年代に登場したあのスエードJKTは単純にかっこいいし僕個人としても大好きだが、毛足も揃ってないワイルドな素材であって、革質としても硬めで厚い個体が多いから、今のファッションに置き換えると快適に着るという点では難しい。正直今作も着想源はそこだが、2nd以前にスエードは存在しないし、せっかくならそれよりずっと古いGジャンをベースに依頼した。ただの憧れである。見つかったとて手が出る金額でもなく、これから4ボタンのオリジナルを所有することは100%無いだろう。

 

 

 

 

素材に関しては色々な種類のスエードを集めてもらった。リーバイスの赤みが強いキャメルより、よりサンド系のキャメルにしたかった。スエードにおいてのキャメルという色は赤みが強いと、かなりカジュアルに寄ってこってりしてしまう。デニムに合わせても品良く着れるものにしたい。イメージ通りの色と革質が見つかった。毛足が短く、吸い付くように滑らかな山羊革だ。さて、そこからサンプルを作っていくが厚さをどうするべきか考えた。重ねることを前提にしているから保温性なんかより、軽く楽に快適に着れることを優先して、0.6mmから0.7mmくらいまで漉いてもらうことにした。レザーJKTにしては結構薄手。ただ風を通さないから、内側に着るとしっかり仕事はしてくれる。さらに松村さんから、手縫いの部分を入れないかと提案をしてもらった。カジュアルネタには手の仕事を、ドレスネタには歪つなディテールを。服の中にある違和感、どっちつかずなバランス、僕はそういう服やスタイリングが好きである。ステッチ幅を決めて針で穴を開けた後、職人の手でハンドステッチしていく。襟と片ポケの上部のみにしてもらった。このディテールが加わるだけで、途端にキュートな顔に変わってくる。9月にサンプルが届いてほぼイメージ通りだったが、カマ底をもう少し上げたりと微調整をして、よりコンセプトに近づけた。写真では3を着てみたが、よりジャストに2で着るのも良かった。コートの内側は余裕で、滑りの悪いコットン裏地のドニカバの下にも難なく着れる。選ぶサイズによってはテーラードJKTのインにも着れるはず。2で着丈62.5、身幅55.5、肩幅48、袖丈61.5、3で着丈63.5、身幅57.5、肩幅49、袖丈62.5。(僕は全く気にせずに着てしまうが)スエードJKTは襟裏や袖口が皮脂や汗などで汚れやすいものだ。神経質気味な方は、襟裏に関してはシルクスカーフを巻いたり、タートルに合わせるのも有効だし、防水スプレーを使うのも効果的。スエードはスムースレザーよりこなれるのが早い。どカジュアルなネタながら品よく作れたと思っているので、僕としては汚れとか袖のシワなんかも経年美化と捉えて雰囲気良く育てて欲しいなと。金土で店頭発売します。在庫が残れば日曜正午に商品帖に更新します。

 

 

 

 

24.1.19 Fri – 1.20 Sat
柿乃葉 / 12:00 – 17:00

Ex Hand St Leather Jacket
Goatskin Suede
Camal
2 / 3
242.000 tax in ( 220.000 )
MAATEE&SONS