2024.01.31
Loro Piana “Greige” Suit
グレーが気になっている。やや明るめのグレーのスーツを崩して着たい。まず柱としたのが、3期連続の別注になるシングル毛芯。23SSモヘアウール、23AWツイードとブリティッシュ的なアプローチが続いたが、24SSは少し毛色を変えてロロピアーナのウールシャンブレーをピックした。平均繊度17micronという極細のSuper130sメリノウール。これを綾組織に、そして細ピッチのヘリンボンに織り上げている。さらにクリアカットすることによるシルクのような光沢と風合い、滑りの良さが増大し、軽さの点でも申し分ない。見本生地を割くと、タテがブラウンがかったグレー、ヨコがベージュのシャンブレーということが解った。ヘリンボンも手伝って、おのずと光のあたり方で見え方が変わるが、ややベージュがかったグレー”グレージュ”と言うのがしっくりくると思う。この生地の上質感は隠すことは出来ないが、それに対してちょっとおじさんっぽく、粋でカジュアルなスモーキーグレーの掛け合わせがすごく気に入っている。
まずシングル毛芯のことを端的におさらいすると、MAATEEのJKTの中で最もテーラー技術を駆使した本格派のジャケット。今作は2Bで、サイドベンツ、肩はジャストに乗る。一般的なスーツを着慣れた方だと、身幅やアームは程よい緩さがあるのを感じると思う。決してバツバツではない。そして魅惑の副資材。肩の内部、裄綿に裏起毛(スウェット)を被せるという奇想天外な発想。胸中心の毛芯にはガチガチでなく柔らかくも反発力のあるものを使っている。どちらも丸み、軽さ、柔らかさを重要視したものだ。2Bの上のボタンに目をやると、ボタンの付け位置を少しダブル寄りにずらしていることに気づく。これにより深い打ち合いが生まれ、ボタンを留めずともフロントが開きにくく、カジュアルなシーンでも美しさをKeepできる。細部まで詰めて考え抜かれていて、体に適度に沿わせても窮屈感を感じない。ましてや今回の生地は軽さ、滑りも特徴なので、余計に楽に感じると思う。サイズは2で着丈75、身幅51、肩幅43、袖丈63.5、3で着丈76.5、身幅53、肩幅44、袖丈64.5です。今回も身幅感などは2の方が好みだが、肩や着丈のバランスで僕(177/66)だと3。これはサイズアップではなくジャスト鉄則。大きく着てはかっこ悪い。背裏ではなく総裏、春と秋を主に3シーズン対応可能。選んだ生地が高額なのに、何故か想定よりだいぶ安く上がってきたので、過去1価格が低くなった。これには松村さんも不思議がってたが、お客様に届ける側としてはホッとした。
ボトムスはフォーエバースラックス。腰回りは適度に分量感をもたせた2タックに股上はやや浅め、ワタリ幅も大きくセミルーズストレートと言っていいだろうか。厳密に言うと気持ちテーパーはしてるが、裾幅も普通に広め。過去に別注で展開したJEFERLYより細く、set up trouser 2よりやや太いといったバランス。いつでもこれが有れば事足りる優等生、ずっと履いていたい永遠スラックス。サイドアジャスターでベルトレスも可能。これもジャストがおすすめだが、1サイズアップでサイド絞ってもバランスは良い。1で総丈101.5、胴囲40、股上30.5、股下74、ワタリ34、裾幅23、2で総丈103、胴囲42、股上31、股下75、ワタリ35、裾幅23.5、3で総丈105.5、胴囲44、股上31.5、股下77、ワタリ36、裾幅24。僕は2です。テーラー仕様で裏地は膝下まで付き、裾は折り返し幅がかなり広いので高身長の方でも安心して伸ばせます。スタイリングに関してはとにかく万能だと思う。個人的に今年最も頻度が高そうなグレーワントーン、それに強色や古着も柔軟に受け入れる懐の深さがある。それぞれ単品でも抜群に使い勝手が良いが、やはりスーツとして持っておくと心強い。大胆な崩しはスーツ遊びの醍醐味でもあり、大人になると必要な機会が必ずやってくるものだ。今週も金土の店頭営業、在庫については日曜正午に商品帖にアップします。
24.2.2 Fri – 24.2.3 Sat / 12:00 – 17:00
@柿乃葉
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Ex Single 2B Jacket
Super130s Wool Chambray – Loro Piana ( Itary )
Lining – Cupro
Greige
2 / 3
115.500 tax in ( 105.000 )
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Ex Forever Slacks
Super130s Wool Chambray – Loro Piana ( Itary )
Lining – Polyester
Greige
1 / 2 / 3
57.200 tax in ( 52.000 )
MAATEE&SONS