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男のシフォン

 

この春、NICENESSのウェアの中で唯一の別注となる今作。これは刺さった。見逃してはいけないと思った。これほど鮮度があり、柿乃葉らしい”崩し”を体現できるアイテムはそうそう無いと悟ったからだ。スノーパーカーデザインのBIDDUは何とシルクシフォン。南インドの古い倉庫に綺麗な状態で眠っていたデッドストック生地だ。カディはここ数年で完全にメンズファッションに定着した感があるが、より”透け”が強いシフォンは完全にウィメンズのイメージ。でもスノーパーカーというセンスの良すぎる落とし所となると、妙にそそられてしまう。これは男が着ていいのか。

 

 

 

 

早速、頭から被ってみた。うわーやられた。味わったことのない軽さ、透け感。最高にカッコいい。ふらっと店に寄って衝動買いしてしまう服とは、想像を超えてくる服のことだ。僕はこの春、透ける服ばかり買っていることに気づいたが、そんな服達はどれも軽くて、季節感も出て、着ていて気分が上がる。BIDDUに袖を通した時に真っ先に浮かんだのは無地の夏用スラックスに、Vシルク。もしくは少しだけ色の同調を気にした上で、ダサビンテージTeeの上から適当に被るイメージ。こんな簡単なことで、去年とも全く違う新しい自分になれるのだ。そして夏を中心とした服ではあるのは間違いないが、春と秋にレイヤーすることでさらに新鮮なスタイリングになると考えた。テーラードの下に着ると、これまた最高だ。このシフォンの質感のせいで、首元のフードがふわっと上質なスカーフに覆われたようなビジュアルになる。実に大人っぽく、他では成せない唯一無二な”崩し”になる。秋も深まってくれば、ウールのタートルの上からシフォンという素材のミスマッチ感も間違いなく面白いはずだ。たまには本当のスカーフ変わりとして、首に巻きつけてやっても良い。こんな洒落た服をさらっと展示会に並べては、僕らの反応を見てニヤっとしている郷くん。何度も言うが彼は天才である。

 

 

 

 

 

デッドならきっと「他の生地もあるよね?」となる。無理を言って、インドからデットストック生地を集めてもらうことになった。インラインの赤もすごく好みだ。ただ、今回は先にスタイリングイメージがあったので、夏だけでなく、春と秋にも同調するような3つの柄を選んだ。どれも個性も見え方も違うので、これは好みとしか言えない。サイズはMのみ。着丈73、身幅70、肩幅70、袖丈53です。サイズだけ見ると内側に着るには大きい?と思ってしまうが、この生地感なのでジャストなジャケットの下にも余裕で収まってしまうし、裾をインするのも良かった。袖もゴムが入り、幅広い体型に適した商品ではないかと。洒落者の皆さん、是非この新鮮さを味わっていただきたいです。2ヶ月弱ぶり、今週から柿乃葉での営業を再開し、2店舗展開に戻ります。4.5(金)発売、在庫があれば日曜正午に商品帖を更新します。HANAREも新作が続々入荷中で、良いもの揃ってますよ。そして、ensou.のゴーストラペルが入りました。柿乃葉別注デザインで何度か展開したゴーストがインラインになった。で、今回のシルクシフォンにも相性抜群です。徒歩8分程度なので、来店される方は是非ハシゴしてみてください。

 

 

 

 

 

24.4.5 Fri – @柿乃葉
24.4.7 Sun / 12:00- @柿乃葉商品帖

Ex BIDDU
Silk Chiffon – Deadstock ( India )
Black / Blue / Greige
M
69.300 tax in ( 63.000 )
NICENESS