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オープンカラーが良い理由

 

 

 

今、オープンカラーが良いと思う。まず、シャツとVゾーンの関係性の話。そもそも丸首にシャツの気分じゃない。シャツの下はVネックか、生地によっては素肌か、タンクトップの人もいると思う。“開襟”を着ることで必然的に形成されるネック部分の“三角形”の素肌。これが今シャープで良いと思うんです。2つ目はしつこいようですが、テーラードとの関係性。春や秋になって無地のテーラードの下にシャツを着ようとする時、レギュラーカラーじゃ綺麗になりすぎるってことありますよね。狙うは“肩ぴったりのジャケットの下はパジャマのままです”みたいなハズし感。可愛いと思います。3つ目はボトムスの中心がスラックスという人に向けて。これは特に調子が良い。“開襟”という脱力要素がスタイリングに隙を作ってくれます。かつての開襟シャツは“1つ開ける”だったけど、今だと2つは開けたいですね。でも今、世の中にオープンカラーがあまり多くないんですよ。なのでレギュラーカラーのシャツを洗濯して干す時に、襟を潰して癖づけして“開襟風”なんてこともしてきました。そんな矢先、ensou.の新作でオープンカラーシャツが登場した。それが今回の共作に至った経緯です。

 

 

 

 

試着した時のしっくり感。初見は、これまで何度か展開してきた“Charmingman Shirt”と近いパターン、もしくは同一かなと。特徴的な裾のカッティングも継承されていますし。西川さんに聞いたところ、Charmingmanをベースにしながら、オープンカラーに合うフロントの下がり、袖山、傾斜などへ微修正を加えたとのこと。僕も何枚かCharmingmanは所有しているので、これまでの経験含めて自分が着たい生地のイメージは明確でした。今回、2年前の真夏に作ったこの商品と同一マーチャント、英国のドレスシャツ生地です。新品の状態だと糊が付いていてパリっとしているんですが、一度水を通すと砕けます。砕けると言っても前回発売したカルロリーバや、インドのカディなどの薄テロ系とは別ベクトルで、打ち込みもいいので形が出やすくてこのパターンによく合います。カフや襟など要所要所に適した芯が入っていて(英国の本格的なドレスシャツよりはライトですが)なんだかシャキっとするので、ノーアイロンの洗いざらしくらいが良いです。暑くなったら袖を捲ってください。引き続き、剣ボロの裏はシルクリネンの白でこれが良いアクセントになります。細かい寸法はMで着丈80、身幅61、肩幅50.5、袖丈61.5。Lで着丈82.5、身幅63、肩幅51.5、袖丈63でした。洗いを繰り返すとタテヨコで1cmから2cmほど入ってくると思います。僕はMかLかで迷ってますが、元々ゆったりしたシャツですし、内側に着ることも考えるとMで割と色々な方に合うと思います。

 

 

 

 

今回用意した生地は3種。再販の声がちらほらあったLilac(過去モデルとは異なるチェックで色出しはほぼ同じ)、爽やかなブルーとグリーンのストライプ、ハッピーなマルチカラーのチェックです。このマーチャントらしい日本の生地屋が毛嫌いしそうな発色が最高です。作る前からどの柄も気に入ってしまって、これで何かやれないかと。「シャツと共生地を使って、西川さんの感性で可愛いバッグを作ってください」と、お題を投げました。ここが今作の最大のポイントとも言えるかもしれません。ダンボールを開けるまでどんなものになっているのか聞かされてもおらずでしたが、上がりが可愛すぎてすぐに西川さんに電話してしまいました。どのスタイルも今回、別注で使用したシャツ3柄を使っていて、コード(持ち手)部分が選んだシャツと共生地になります。さらに過去のensou.のコレクションでジャケットの裏地に使ったプリント生地やら、古いSeed Bagやらがアソートで縫製されます。最後にウォッシュかけてくちゃくちゃに。このバッグは選べませんので、ご了承ください。シャツと同調させてコーディネートするのがまた楽しくて、あえてバッグの中に何も入れずシャツのデザインの一部のように体に沿わせて斜め掛けしてみたり、腰にエプロンのように巻いてみたり。真夏の面白みのないスタイリングの時にアクセントとして持てるキュートなトート。自由に楽しんでみてください。

 

 

 

 

あと、今作やEx Trioにも抜群に相性の良いトラウザーを同日に発売します。グレートロピカルのドレトラを受注逃した方はチェックしてみてください。NICENESSよりARBUS。Light Blueのみ仕入れました。オリジナルで織り上げたリネン生地の表側のみに顔料コーティング。これが着用していくとゆっくりと剥がれていき、また違った顔に変化していくというザ・NICENESS。このプリっとした生地が気持ちよくて、履き込んだように粉を吹いたグレイッシュなサックスも他にないですし、春夏に買い足すならこれだなと思える1本です。裏にして見ると、前部にキュプラ貼りつけ、シックも付くし、マーベルトなど手縫い箇所いくつか。かなり本格的なトラウザーズだとわかります。シルエットもすごく綺麗で、ドレトラよりは細くもやや太めのスラックスと言えると思います。先日発売したウールモヘアメッシュとかに近い感じです。Mで裾幅23.5くらい。金曜発売。土曜も営業します。在庫が残ったら日曜の正午頃に商品帖に更新します。

 

 

 

 

23.4.14- Fri

Ex Open Coller Shirt with Assort Bag
Cotton Poplin ( UK ) / Parts – Silk50 / Linen50
Lilac / Blue / Multi
M / L
52.800 tax in ( 48.000 )
ensou.

ARBUS
Linen
Light Blue
M / L
74.800 tax in ( 68.000 )
NICENESS