2023.07.26
見た目は普通で良いけど、中身は普通じゃ満足しない
MAATEEの作るシャツが好きって言う方、多いと思います。松村さんお抱えのベテランパタンナーと一緒に作らせてもらった、ゆるゆるドレスシャツ。旧エリザベス、前回の手記はこちら。新作まだすかの声にお応えして、ようやくリリースができます。これまでも生地探しは続けていて、ハイクオリティのインポート生地をいくつも送ってもらったり、松村さんの過去作の残生地だったりを見せてもらったりするも、なかなか合致点が見つからず。僕にとってシャツというアイテムは最も身近なもの。シャツが大好きなのです。色んなタイプのシャツを着ますが、このシャツは僕の中でも最もスタンダードな存在にしたくて、洗いざらしするのか、プレスするのかで、どんなシーンでも着れるものにしたいと思って作ったのが始まりです。小さなコンセプトを言うならば、魅力的な素材であること、今着たいと思えること、極端に意匠も価格も突き抜けないこと。見た目は普通で良いけど、中身は普通じゃ満足しない。そうなると、素材はすごいけど7万オーバーのシャツは違うとか、毎日着たいけど他に代用があるんじゃないかとか、ハードル上げてしまってなかなか見合う生地が見つからない。そんな折に23AW展示会に並んでいたこの素材がドンピシャで、お裾分けさせてもらうことになったんです。
松村さんが新しく作ったシルク65、コットン35のシャンブレー。MAATEEではシルクコットンのシャツ生地はこれまでも展開してきているのですが、今回の規格は縦糸のシルクをスパン糸からフィラメント糸に変えています。糸に撚りが入っていないということで、通常はダイレクトに光沢が出てきますが、どういうものかが最適か頭を捻っていく中で、タテはシルクで本数(密度)多め、ヨコのコットンを少し甘くすることを思い立ったそう。これで程よい感じの光沢感に抑えつつドレス感も備わって、ヨコが甘いせいでカジュアルな抜けも出てくるんですね。サックスのヘアラインストライプは、タテのシルクがサックスと生成りを交互に切り替えたもので、ヨコは薄いグレーです。ヘアラインと名前は付いていますが、僕達が知っているヘアラインとは様子が違って、どちらかと言うとピンヘッド寄りな見え方で奥行きがあります。角度によって玉虫のように色や光沢を変えるのも特徴で、サックスシャツは世の中に沢山ある大定番ですが、やっぱ全然違うんですよね。TYPEものの破れた501Eとトラローファーでカジュアルに履いてみました。このシャツには品も抜けもあるので良い塩梅になってくれます。
そして、ボルドーのロンスト。これは、タテのシルクがボルドーとベージュのストライプに、ヨコがコットンでグレーベージュ。フィラメント糸なので白だとギラっとしてしまうところ、ベージュにして光沢を抑えたんだそう。ボルドーとグレーベージュのタテヨコの重なりで、小豆色になった。そんな感じです。僕の写真だとグレーストライプにしか表現できなかったのですが、実際は小豆ストライプと言ったら納得してもらえるはず。これが落ち着いた渋めの色で、かなり好みです。スタイリングはスラックスに最近出番の多いディミッシアーノのマーブルコードバンで組んでみました。インしてもアウトでもバランスが良いのも、このシャツの特徴です。どちらの色も、洗いは掛かっていて仕上げで生地をほぐしています。通称、リラックス仕上げ。この後、家で洗いを繰り返すと、ほんのわずか縮みが出るかもしれません。乾燥機は無しでお願いします。とにかく軽くカサカサっとしてて、ほんとちょうど良い塩梅の光沢を持った上質感があります。袖を通してみると瞬時に、これは良い素材だと肌が察知するはずです。秋の立ち上がりではありますが、薄手で春夏も問題なく対応しますよ。手仕事のグリカンやガゼットなど全て継続で、基本コンセプトは変わらず“ジャストサイズでもオーバーサイズでもない”やや緩め。柿乃葉オリジナルのドレスシャツです。各所サイズは2で肩幅44、身幅57、着丈83、袖丈65。3で肩幅45、身幅59、着丈85.5、袖丈66.5です。今週も金土と店を開けます。在庫がありましたら、日曜正午に商品帖へ在庫を移します。
23.7.28 Fri – 7.29 Sat / 12:00 – 17:00
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Ex Silk Cotton Loose Dress Shirt
Silk65 Cotton35
Sax Hairline Stripe / Bordeaux Stripe
2 / 3
44.000 tax in ( 40.000 )
MAATEE&SONS