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ひょっとこドライバーズ2

 

去年、松村さんと作ったひょっとこドライバーズ。手記はこちら。かなり好評で、すぐに無くなった。サイズバランスの完成度も高いと思っていて、実際着てみると思っていた以上に便利だった。顧客さんの多くが頻繁に着てくださっているのをSNSで目にした。着て脱いでが楽だし、ここまで冬が短いとニットアウターとして活躍する期間も長い。冬本番になればツイードのジャケットとかコートの中に入れ込むとかマフラー要らずでかなり暖かいし、トラックジャケットのようなスポーティーな首元は崩し要素にも担ってくれた。おかわりしようと、シェット×カシミヤの新色を考えながら展示会に出向いたら、松村さんがアルパカ×カシミヤのひょっとこ天竺を作ってた。シェットよりハリが抑えられて、弾力、柔らかさもある。伸縮も強い。一方、去年作ったオリジナルデザインのドライバーズは畦編み。畦だと、どんな感じになるんだろうと興味本位もあって、とりあえず試作を作ってもらった。

 

 

 

 

まずはグレイッシュなドライバーズを狙って、表はそのままブラックアルパカの原毛色、裏のカシミヤは薄いグレージュ系を指定した。サンプルが5月に上がってきたが、畔編みとアルパカの相性はすごく良かった。バルキーさはあるけど、とにかくスポンディッシュで天竺と同様に伸縮性が良い。畦編みは表目と裏目が交互に連なる編み方なので、それは肌にアルパカが触れるということ。シェットほどハリは無いが、その分強いカサカサ感も無いので、あの硬さが苦手な方にはかなりポジティプなアップデートだろう。言わずもがな、着心地の面ではかなり向上していると思う。が、色をミスった。杢感が強く出るのは当然のことイメージしていたが、シャープなジップニットに合わせるとカジュアル感が誇張されて、何だろう。チープに見えた。去年みたくソリッドに振る。そうなると着たいのは、今年一気に僕の中で返り咲きのある黒だ。バルクは表は変えずに、裏のカシミヤを黒に変えて依頼した。ブラックアルパカ×黒染めカシミヤのひょっとこ畦ドライバーズが誕生する。

 

 

 

 

上がりは抜群だった。黒×黒だが、これはナチュラルな黒とケミカルな黒である。ブラックアルパカは勿論、染めていない素っぴんの“黒っぽい”アルパカであって、赤みのある毛が混ざっている。真っ黒のようで真っ黒ではない、うっすらと表面が茶から紫っぽくモヤがかかるような魅惑的な黒になった。寸法は2で着丈67、身幅56、肩幅47、袖丈67、3で着丈69、身幅59、肩幅49、袖丈69と、ほぼ去年と同様の上がり。僕はどっちのサイズでも着れる。(写真で着ているのは3) ニットは目付で価格が決まるし、天竺よりボリュームのある畦は当然高くなるけど、その分タフで迫力があって暖かくて、やっぱり贅沢な気分になれる。細かいディテールを挙げると、袖の振り柄、断ち切りデザイン、10cmのターンナップ、指抜き、ポケットの中だけ天竺編み、両開閉ジップなど。MAATEEの毛芯、AMCのBRIANのようなジャストフィットなジャケットの内側は着れないけど、それ以外のゆるっとしたものの下は何でも着れます。フロントを全開、全閉め、途中までなど、気温とスタイリングによってアレンジしてください。僕はスラックスかデニム、薄いタートル、ヘンリーなんかに合わせてさらっと着たい。来年はブーツカットデニムかな。店頭発売は金土、日曜正午に在庫は商品帖に移します。

 

 

 

 

23.11.24 Fri – 11.25 Sat
柿乃葉 / 12:00 – 17:00

Ex Alpaca & Cash “Hyottoko” Drivers Sweater
Black Alpaca – Face Side
Cashmere – Back Side
Natural Black
2 / 3
86.900 tax in ( 79.000 )
MAATEE&SONS