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袖裏キュプラのチャイルディッシュシャツ

 

Childish Jacketと聞いてピンとくる人いたりしますか?その時の手記がこちら。2020年に西川さんから声かけてもらって、手探りだった頃。ensou.との最初の共作。その時の元ネタとなったのが、西川さんが5年程前に作ったというChildish Shirtである。そして今作もまた、その時と同じシャツをベースにすることになった。元々このキュートなシャツは古い子供服からインスパイアされ作ったそうだ。スタンドカラーに、Vになったフロント、不均一なボタン間隔。見たことのない超変化球なシャツであって、カーディガンとの合いの子のような見え方をする。当時のものより、すっきりさせたくて腰ポケットや切り替えをごっそり省いて、代わりに今作にも気分のリボンやくるみボタンを付けるなどして少しのマイナーチェンジをしたが、パターンは今着ても古臭さは全くなくそのまま生かすことにした。

 

 

 

 

 

5年も前に作ったというこのシャツに今惹かれた大きな要素が、素材だった。なんと、テーラードジャケットの袖裏用のキュプラを使っている。つるつると滑りが良いという特性を持ったこの生地を、大胆にもメイン素材として使うことに今、面白さと鮮度を感じている。万年の脇役が、急に主役に抜擢されるなんてロマンがある。5年前と同じ生地帳から探して、2つの生地を選んだ。共にキュプラ100。サックスのストライプは光沢があるのに爽やかで優等生チック、トラッド香がする。こっちは透けはそこまで強くなくて、より素材を楽しむ感じ。Vシルクと相性が良い。特に透ける白のストライプは今の気分をより反映したものだ。暖かくなるとやっぱり色物を着るから、それらを全て受け止めてもらおうとすると間違いなく活躍する白。クローゼットから好みのTシャツを選んだら、上からおもいっきり透かせて着る。インにするにも最適だ。

 

 

 

 

フロントがVなので、春や秋にジャケットやVカーデなんかとレイヤーする時にまたこのシャツの面白さに気づく。たとえ滑りが悪いスエードジャケットを羽織っても滑ってくれるだろう。それが袖裏シャツだ。サイズはMで着丈76、身幅61.5、肩幅46、袖丈63、Lで着丈79、身幅63.5、肩幅47、袖丈65です。僕ももう20年程この業界にいるが、キュプラのシャツなんて着たことがない。女性ならまだしも、きっと殆どの人が着たことがないはずだ。つるつる冷んやりの新しい着心地も顧客さんに体感してもらいたいと思ったし、シアー素材を買い漁っている今季、その気分にもぴたっとハマった。きっとここにしか無い。3週ぶりの開店。仕込んだものが、計画通りに届きそうもない今季(毎度だが今年特に)。金土営業、日曜正午に商品帖に更新します。5月も開けられる週が限られそうな雰囲気です。

 

 

 

 

 

24.4.26 Fri – 4.27 Sat / 12:00- 17:00 @柿乃葉
24.4.28 Sun / 12:00- @柿乃葉商品帖

Ex Childish Ribbon Shirt
Cupro
White Stripe / Sax Stripe
M / L
46.200 tax in ( 42.000 )
ensou.