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WILSONスペシャル

 

LOWEの進化系として21SSにリリースされたWILSON。こちらでも手記を書いたクワッガ柄を未だ気に入って愛用中。およそ3年前のモデルで、以降ピタッとNICENESSからリリースが無くなったので知らない方もいるかもしれない。WILSONは郷くんがデザインしたバッグの中で、僕の1番好きなモデルである。僕に合ったと言った方が正しいか。21AWにはすぐに友禅職人のブラッシュドカモで特注させてもらって、この時は反響が大きくて僕も買えなかった。その時の手記がこちら。僕がバッグを持つシーンには必ずと言って良いほど仕事道具(mac book、スマホ、手帳、カードケース)が入ることになる。今、休みの日となるとほとんど子供と一緒で、まだ抱っこ盛りのチビ2人と言うこともあって、バッグを持たずに出かけることが多い。なので僕にとってのバッグとは仕事道具を全てセットできることが前提であり、そうなるとそれらをちょうど良く受け止める収納力を有するWILSONがベストなのである。大きすぎ、小さすぎず。使い勝手が良い。

 

 

 

 

NICENESSと作るバッグは世の中に無いワクワクするものを作れる(と思っている)ので、いつも展示会中からアンテナは張っているが、久々に「これこそWILSONだ」と思う2つの生地に出会った。今季のVOLTONでも使わせてもらった柿渋染めのキャンバス。これも素材について手記で触れているのでこちらを。タフで経年美化を楽しめるこの素材は、日々ハードに持ち歩くバッグに向いている。そして今季、NICENESSファンを唸らせたバッファロー。柿乃葉でもA-2型のFLASHを手に入れたという声を頻繁に耳にするが、エジプト原産のこの水牛革は、表面も凸凹感がありワイルドなのに、コシがあってしなやかでほんのりヌメっとしてる。手でクシャっと握っても跡にならずに元に戻ってきて、丁寧にタンニンで舐めされていることが理解る。どちらも生地値が高いのは承知の上だったが、使って育っていくものにしたくて、贅沢にもこの2つの素材をドッキングしてもらった。さらに普通のバッグだと満足感が無いので、柿渋染め側にはNNパッチを付けてもらった。内側にある3つの収納ポケットには、財布、スマホ、手帳がスポッと収まる。このポケットのパイピングに至るまで、全ての革部分をバッファローにしている。パンチングロゴはお決まりのNK ( NICENESS kakinoha ) で。

 

 

 

 

 

色は2パターン作った。鉄焙煎の柿渋染には黒のバッファロー。ソリッドで男っぽい。そしてワントーン薄めの柿渋染には茶のバッファロー。よりソフトな印象、カジュアルでさらっと持つことができる。これに関しては好みだしファーストインプレッションが正解だと思うが、もし迷ってしまうんだったらやっぱり黒靴が多い方は、バッファローストラップも黒のBlack×D.Brownだろう。反対に茶靴派の方は、Brown×Brownの方が収まりが良いはずだ。とは言えBrown×BrownのNNパッチも茶ではなく黒にしたので、黒靴もいけるように逃げ場は作っている。またワントーンとかシンプルなスタイリングも気になるこの頃。そうなると、柿渋染め側の遊びのあるデザインが効いてくる。何度も言うが、小物でしっかり遊べる人は洒落者だ。バッファロー側の無垢感とは全く雰囲気が異なるので、どちら側を表に見せるかはその日のスタイリングに合わせてもらえればと。

 

 

 

 

 

 

このWILSONもストラップを繋ぐフックが簡単に取り外し可能なので軽快にハンドバッグにもなるし、LOWEと同じシャックルが付いて小型財布“FATS”も装着できる。使い込んで5年後、10年後に完成するだろう、美しい素材をドッキングしたWILSONスペシャル。サイズはW40cm、H35cmほど。ストラップは最長69cmで、好みで結び目を変えて短くすることができる。これが柿乃葉の今年最後の商品となるのが嬉しい。特に柿渋染め側の個体差が大きいので、見比べたい方は是非店頭へ。金土の営業です。前回同様、混み合う時間があれば、入店を少しお待ちいただく可能性があります。商品帖は日曜正午に。今年も僕の暴走にお付き合いいただいた皆さま、有難うございました。

 

 

 

 

 

23.12.15 Fri – 12.16 Sat
柿乃葉 / 12:00 – 17:00

Ex P.I.WILSON
Buffalo Leather
Brown×Brown ( Kakishibuzome )
Black×D.Brown ( Kakishibuzome & Tetsubaisen )
F
99.000 tax in ( 90.000 )
NICENESS